3歳で父と死に別れ、母は「妻子持ち」と駆け落ち…頑張れば報われると思うしかない家庭環境で育った、43歳男性の価値観が崩壊した瞬間とは
人はしてしまったことを「なかったこと」にはできない。いくら後悔しても、その前の時点には戻れないのだ。だからこそ、ここから未来を作っていくしか生きる術はない。
「そうですよねえ」
深刻そうな表情は作っているが、どこかのんびりした口調でそう言うのは浅田俊太郎さん(43歳・仮名=以下同)だ。
「オレの人生は終わったと嘆いている男がいるんだけど会わない?」と男友だちに言われて会ったのが俊太郎さん。まじめなようなふまじめなような、捉えどころのない人だが、会っていて不快ではない。...