婚姻数は急減中…20代・30代の男女に聞いて分かった少子化の本当の原因
結婚や出産で「自分を犠牲にしたくない」
結婚し、子供をもうけるということに消極的になる声として、若い男性から聞こえてくるのは、以下のような声が多かった。「年齢を重ねても給料が上がる保証がないので、結婚したり、子供をもったりして出費が増えることにリスクを感じる」「これだけ物価が上がっているのに、家庭を持って生活をさらに切りつめることに躊躇がある」「家族よりも自分の時間を大切にしたい」。その結果、ひとりですごすことに不安はないか、と尋ねると、周囲に同様の人が多いからあまり感じないという。
一方、女性はどうだろうか。男性と同じような回答もあるが、そこに別種のものも加わった。「職場でせっかくキャリアを重ねても、産休から戻ったときに、同じ職場やポジションに戻れる保証がない」「子育てをするのは、女性にこそすごく負担がかかる」「子供や家庭のために自分の好きなことを犠牲にしたくない」「そもそも出産や子育ては女性に負担がかかりすぎる」。
これらの回答からどういう傾向を導きだせるか、すなわち、若い男女が結婚し、子供をもうけることに、どのようなリスクを感じていると考えられるか、生の言葉への解釈も交えて以下に列挙してみたい。
日本経済が長期にわたって低迷し、給料が上がらず、今後も上がるという保証はないので、結婚に踏み切れない。
主に円安に起因する昨今の物価高による生活苦が、結婚や出産への足かせになっている。
いまの若者は子どものころから「無理はする必要がない」「自分らしく生きればいい」と教わっているから、結婚や出産によって自分の時間が奪われることに躊躇がある。また、結婚によって生じる苦労を、あえて引き受ける必要性を感じない。
加えて女性の場合は――。
男女平等が強く意識される社会になったにもかかわらず、出産や育児は女性にばかり負担がかかりがちだ。
働いている企業や団体で産休や育休が整備されても、子供が生まれても休まなくて済む男性にくらべると、休まなければ出産できない女性は、キャリアを築くうえで不利だ。
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