ついに岸田総理に愛想を尽かした公明党 「解散に注文をつけるのは異例」

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 国民的な政治不信を招いた自民党派閥の裏金問題に、岸田文雄総理は半ば強引に見える幕引きを図った。

「政治資金の不正な還流に関わった安倍、二階両派の議員39人を処分しましたが、自身は“おとがめなし”というまさかの結論。党内にはしらけたムードが漂い、求心力の低下に歯止めが利きません」

 と言うのは政治部デスク。

「続いて総理は政治資金規正法を改正して内閣支持率を回復させ、6月23日に会期末を迎える今国会中に衆院解散に踏み切る腹積もりでした。ところが、党内はおろか公明党からも愛想を尽かされ始めています」

 象徴的なのが、今月28日の衆院東京15区補選における公明党の対応だという。

「同日に行われる3補選のうち、早々に長崎3区での不戦敗を決めた自民党は、島根1区でも苦戦が必至。そこで、東京15区で都民ファーストの会の特別顧問を務める小池百合子都知事が支援する乙武洋匡氏を推薦するとの“奇策”に出た。何とか3補選での全敗は避けるべく、都知事の人気にすがったからにほかなりません」

公明党が乙武氏を忌避する理由

 苦渋の決断か、捨て身の策か。これに連立相手の公明党が難色を示している。乙武氏には、参院選を目前にして女性問題が発覚し、出馬を断念した過去があるからだ。もっとも、公明党が乙武氏を忌避する理由はこればかりではない。

 与党幹部がそっと明かす。

「当初、公明党は“都議会で良好な関係の小池さんに義理立てできる”と、乙武の推薦に傾いていた。それに待ったをかけたのが、“小池嫌い”で知られる菅義偉前総理だ。最近、菅さんは何かにつけて小池さんに擦り寄る自民党執行部を苦々しく思っており、今回は独自のパイプを生かして創価学会を動かしたんだ」

 東京15区は、自民党議員が2人続けて収賄や買収の容疑でバッジを失ったいわく付きの地。国民が“政治とカネ”の問題に厳しい視線を注ぐ中、都知事の後ろ盾があれば当選確実という状況ではない。

「仮に自民党が島根1区で勝ったとしても、首都・東京の15区を落とせば負け越し。となれば、総理は解散どころか9月の総裁任期満了でお役ご免となる。菅さんの裏工作は、かつて政権から引きずり下ろされたことへの意趣返しだ」

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