水原一平容疑者の父は和食店に出勤できず、人目を避けて暮らすハメに… 刑期は8年ほどになる可能性も

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「厳しい量刑が想定される」

 カリフォルニア州弁護士の資格を持つ東町法律事務所の村尾卓哉弁護士が言う。

「水原容疑者が問われている連邦法の銀行詐欺罪は、禁錮30年以下または100万ドル以下の罰金が科せられます。もし司法取引をして、次回の罪状認否で罪を認めるのであれば、裁判所は陪審員裁判をせず量刑判断に入ります。今回の保護法益は銀行という社会的インフラの信頼性ですが、実際に金銭的被害を受けているのは大谷選手であり、盗まれた1600万ドルを銀行は補填してくれません」

 大谷は“泣き寝入り”を余儀なくされそうなのだが、

「被害は相当な額にのぼり、厳しい量刑が想定されます。交渉次第で司法取引の内容は変わってきますから、ここは弁護を務めるマイケル・フリードマン弁護士の腕の見せどころでしょう」

 実際のところはといえば、

「連邦法に基づく禁錮刑は、法令と連邦の量刑ガイドラインによってコントロールされています」

「国外退去処分の対象に」

 元連邦検察官でカリフォルニア州弁護士のジョン・カービー氏は、そう前置きしながら、

「司法取引で有罪を受け入れた場合、今回のように1600万ドルの損失だと、その幅は禁錮51~63カ月となりますが、当局がコンピューター使用など手口の巧妙さなどを理由に量刑を増やすよう主張すれば、これが78~97カ月になります」

 さらに続けて、

「被害額が1万ドルを超す銀行詐欺は、米国の法律では『加重的重罪』に該当します。つまり、イッペイ氏が米国の市民権を持っていなければ、有罪判決を受けた場合は(刑の終了後に)国外退去処分の対象となるでしょう」

 アメリカからの「永久追放」が、現実味を帯びてきたのだ。

 前編では、7000万円ほどかかると想定される水原容疑者の弁護費用の出どころなどについて報じている。

週刊新潮 2024年4月25日号掲載

特集「賭け2万回 負け総額280億円 口裏合わせ懇願で『大谷翔平』を道連れにしようとした『水原一平』の『病理』」より

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