大行列に客から怒号も……「みどりの窓口」続々廃止で続く“大混乱” 電子化が進む“航空券”との決定的な違いとは
鉄道の利用者は声を上げるべきだ
こうなると、今更だが、国鉄民営化は失敗だったのではないかと思わざるを得ない。国鉄民営化で期待されたことは、サービスの向上であった。確かに、民営化直後はサービスの向上が図られた。しかし、現在のJRの駅では国鉄時代を遥かに超えるサービスの改悪が行われている実態がある。鉄道事業よりも、不動産業のほうに力を入れるようになった印象だ。
JR各社は経費の削減を理由に駅の無人化を進め、さらに駅舎を簡素に改築したり、駅から時計やゴミ箱をなくしたりと、乗客に不便を強いる取り組みばかりを進めている。当然なのだが、それらはことごとく評判が良くない。実際、駅員に話を聞いてみると、乗客からのクレームは相当来ているようである。それがどこまで上に届いているのかは不明だが、現場の労働者もサービスの改悪の被害を受けている被害者と言うことができる。
クレームを受け、罵倒されているのは駅員であり、そうした光景を見るたびに筆者は気の毒になる。このままでは、国鉄時代のように“塩対応”が得意な駅員だけが生き残り、性格が優しく、使命感のある駅員が辞めかねない。みどりの窓口廃止は早急に見直すべきだし、JRは民営化の原点に立ち返ることが重要ではないかと思う。
そして、利用者も、民間の会社がやることだと言って黙って見ているだけでいいのか。公共交通の利便性を守っていくために、声を上げるべきなのではないだろうか。