水原一平容疑者のアドレナリンが出るタイミングに注目…病的な嘘つきになって、最後は破滅した真相
インターネットの弊害
どれだけ水原容疑者がギャンブルに深く依存し、信じられないほど周囲に嘘を付きまくっていたとしても、彼の素顔は「他の人と全く変わらない、普通の39歳」である可能性が高いという。
「報道によると、日本ハムファイターズで通訳を担当していた時は、普通にパチンコを楽しんでいたそうです。もし水原容疑者が今も日本で通訳として働いていたら、こんな事件は起こさなかったのではないでしょうか。ただ、水原容疑者が身も心もギャンブルに奪われた原因の一つとして、インターネットでスポーツ賭博ができるようになったことは大きいと思います。何しろ24時間、365日、いつでもどこでもスマートフォンからアクセスできるのです」
時代劇に出てくる賭場を連想すればお分かりだろうが、いわゆる「鉄火場」は素人が簡単に入れるような場所ではなかった。賭博が行われる時間帯も夜中で、ひっそりと秘密裏に行われた。
欧米にはカジノを社交の場として楽しむ文化がある。ドイツに留学したことのある岩波氏は、ヨーロッパ有数の保養地であるバーデン=バーデンを訪れた際、上流階級を対象にした高級カジノ場を見つけたという。当然ながらドレスコードなど厳格な入場資格が設けられており、庶民が気軽に入れるような場所ではなかったそうだ。
水原容疑者の“幸運”
競馬、競輪、競艇といった公営ギャンブルは敷居こそ低いが、かつてはレース場や場外の発券場に足を運ぶ必要がある。電車など公共交通機関を使う“手間”は、それなりの抑止力だったのかもしれない。
だが最近ではネットでの参加が可能になり、ユーザーが増え続けている。依存症の観点から不安視する声もある。その一方で、公営ギャンブルは開催日が決まっている。年中無休というわけではない。
パチンコは最寄りの駅前に店を構えているところも少なくなく、営業の頻度も公営ギャンブルより多い。こちらも依存症の観点から、距離の近さや店休日の少なさを懸念する報道が行われたこともある。とはいえ、さすがに24時間営業ではない。
「インターネットにアクセスすれば、いつでもどこでもギャンブルができるという状況が、水原容疑者の依存症を悪化させたと考えられます。さらに水原容疑者の場合、ある種の“幸運”が積み重なったことで、逆に破滅に追い詰められてしまったのではないでしょうか。例えば大谷選手と知り合い、彼の信頼を勝ち取って右腕として活躍するようになったことも、ある種の“幸運”だと言えます」(同・岩波氏)
一部の報道によると、大谷が銀行口座を開設した際は水原容疑者が手伝い、暗証番号などを把握していた可能性があるという。もし事実だとすれば、これも“幸運”に違いない。
「大谷選手が世界でもトップクラスのスター選手となり、巨額のお金を稼ぐようになったのも、水原容疑者を破滅に導いた“幸運”の一つでしょう。訴追内容が事実なら、水原容疑者が許されざる犯罪に手を染めたのは間違いないようです。しかし、日本円にして24億円を超えるという巨額の不正送金です。普通ならあり得ない“幸運”が奇跡的な確率で積み重なったが故の犯罪とも言えるのではないでしょうか」(同・岩波氏)
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