「“爵位が欲しい”とよく言っていた」 上皇陛下の姉君・池田厚子さんと菓子メーカー「カバヤ」代表の養子縁組の裏側
「足腰は弱っていますが、お元気でした」
ちなみに、池田厚子さんはこの3月で93歳となったご高齢の身。
自宅は動物園の中にあり、ここでお手伝いさんの助けを借りながら生活しているというが、心身の具合はいかがだろうか。
園の関係者によれば、
「1月、あいさつに行きましたが、足腰は弱っていますが、お元気でしたよ」
とのことだが、
「5年ほど前までは、ポストまで歩いて新聞を取りに行くとおっしゃっていましたが、今は通例の取締役会にも出ていらっしゃらないそうです」(別の関係者)
ともいうから、やはり年相応のご容態ということであろう。
池田動物園にこの度の養子縁組について尋ねると、
「お答えできません」
カバヤの持株会社にも聞いてみたが、
「プライベートに関する内容ですので、回答を控えさせていただきます。池田厚子氏は弊社の取締役でございますが、それに伴うご質問につきましてはいずれも公表しておりません」
と言うのみであった。
「10年ほど前に相談された」
「10年ほど前になりますか。厚子さんから“養子を取りたいんだけどどういう人がいいか”との相談を受けたことがあります」
と振り返るのは、前述の霞会館で理事長を務める鷹司尚武(たかつかさなおたけ)氏。
鷹司氏は同家に昭和天皇の第三皇女・和子さんが嫁ぎ、また、尚武氏自身が伊勢神宮の大宮司を務めたこともあって、厚子さんと近しい間柄だ。
「その際は“それならお身内が良いのでは”“関係の薄い人を迎えると厄介ですよ”と申し上げた記憶があります。養子縁組のことを知ったのは、昨年の秋ごろのことでした。厚子さんのお見舞いに行った際に、その旨を伺いましたよ。野津さん自身も、この2月か3月には、霞会館にあいさつに来ていましたね」
続けてこう語る。
「養子縁組に当たっては、厚子さんと野津さん、双方の意思があって行われたことではないでしょうか。ただ、あくまで個人的な意見を述べれば、この場合、やはり家の存続ということに重きが置かれるわけです。その点、野津さんにはお子様がいない。その意味では、急いで決めなくてもいいという思いもあり、厚子さんの周囲にはそう伝えてきた。ただ、厚子さんもご高齢ですから、そうも言っていられなかったということでしょう。いずれにせよ、池田家は400年続いてきた名家。厚子さんがお元気でいられるうちはいいでしょうが、その後はどうなるか。今後の成り行きを見守っていきたいと思います」
折しも5月26日、全国植樹祭が岡山で開催され、天皇皇后両陛下も臨席される。改めて、皇位継承の議論にも、より関心が深まろうというわけである。
前編では、動物園の関係者が明かしたカバヤと池田家の結び付きについて報じている。