「池田家と動物園に関わる“事情”が」 上皇陛下の姉君・池田厚子さんと菓子メーカー「カバヤ」代表の養子縁組、関係者が明かす舞台裏

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「寝耳に水」

 いわば、歴史あるお家柄と戦後の新興企業のトップという、異例の“ご縁”である。

「確かにひと月ほど前だったかな、野津さんから手紙が来ましたよ」

 と語るのは池田動物園の取締役も務める、岡山ガスの岡崎彬会長。

「おっしゃるとおり、夫婦で池田さんの養子になりましたという内容でした。今月になって私の会社にご本人があいさつに来まして。改めての報告がありましたよ」

 もう一人、RSK山陽放送相談役で、池田動物園の取締役も務める原憲一氏に聞いても、

「先月末かな、カバヤの方が2人来られて、基弘さんが養子になりました、と報告がありました。寝耳に水の話でしたね。その後、ハガキでも報告がありまして。差出人の名は『池田基弘』となっていました」

「動物園に関わる“事情”」

 この異色の組み合わせの背景には一体、何があったのか。

「池田家と動物園に関わる“事情”があるのだと思います」

 とは、前出の岡山財界関係者だ。

 厚子さんの夫、故・隆政氏は無類の動物好きだった。岡山で牧場を開き、牛や豚、鶏を育て、戦後、厚子さんと結婚した翌年には動物園を開いた。厚子さんも夫を支え、時に売店を手伝ったり、写真撮影に応じたことも。岡山の名所のひとつとなったが、しかし、動物園の民営は厳しく、隆政氏は私財を投じて赤字の補填をしてきたという。2012年に隆政氏が亡くなった後、厚子さんが園長に就いてからも状況は変わらず。累積赤字は2億4500万円ほどにも及び、地元では由緒正しい動物園を潰してはいけないと、「池田動物園をおうえんする会」ができたほどだった。

 その「おうえんする会」の清水努会長が言う。

「厚子さんが嫁がれたこともあり、動物園は設立当初から代々、地元財界が応援してきたのですが、その中の熱心な一人がカバヤの先代でした。株主にも入り、隆政さんとは公私ともに親しい間柄でした」

 先代の死後、その縁は基弘氏にも引き継がれていった。

 5年前、動物園が入場ゲートを新設した際には、カバヤがそれを寄贈。その際、園長と並んでテープカットをしたのが基弘氏だった。

 現在は前述のカバヤの持株会社が動物園の筆頭株主に。

「2年前には、動物園の専務が亡くなったんです。その後、新しく専務に就いたのがカバヤのグループ会社の社長さん。するとすぐに食堂をリニューアルしてくれましてね」(同)

 人的にも、金銭面でもまるでグループ企業のひとつであるかのように、全面的にバックアップしているわけなのだ。

 後編では、基弘氏が周囲に明かしていたという“爵位への憧れ”などと併せ、養子縁組が組まれた理由について詳しく解説する

週刊新潮 2024年4月18日号掲載

特集「『天皇陛下』に新たな『従兄弟』が…『昭和天皇』四女『池田厚子さん』と養子縁組したジューC『カバヤ』社長の思惑」より

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