総理大臣はなぜ直接選挙で選ばないほうがいいのか? 通商国家ヴェネツィアの「世にも奇妙な元首選出方法」に学ぶ
「次の自民党総裁にふさわしい政治家」は?
読売新聞社が2024年3月に行った全国世論調査によると、岸田内閣の支持率はわずか25%。「次の自民党総裁にふさわしい政治家」については、石破茂元幹事長が22%で1位だったという。
次回の総選挙は6月とも9月ともいわれているが、いずれにせよ、われわれ有権者が直接、総理大臣を選べるわけではない。どうせなら総理大臣も自らの手で選びたいと思ったことがある人も多いのではないだろうか。
しかし、国際政治学者の高坂正堯氏は、その代表作『文明が衰亡するとき』(新潮選書)のなかで、7世紀末から1000年以上にわたり繁栄を誇った通商国家ヴェネツィアの政治体制に触れ、同国人が持っていた「直接選挙への警戒心」を称賛すべきこととして取り上げている。...