「水原通訳」に続いて「小池都知事」も疑惑再燃…なぜか“学歴詐称”に使われやすい大学の共通点とは?
もし自分が詐称をする場合は…
ペパーダイン大学といえば、NBAボストン・セルティックスの名ポイントガードだったデニス・ジョンソン氏の出身大学である、ということしか知らなかった。だから、古賀氏については「実に微妙な大学を経歴詐称に使うものだ……」と思ったものである。
ただ、なんとなく経歴詐称に手を染めてしまう人の気持ちも分かる。超有名大学出身であれば、同じ時期にいた著名人(日本人含む)と交流があったかや、アメフトとバスケの観戦写真を見せてくれ、などと言われてしまう可能性がある。そうしたリスクを排除するため、「なんとなく凄そうだけど、興味を持つための基礎知識がない大学」を本能的に選んでしまうのではなかろうか。
私は米・イリノイ州の高校出身だが、もし自分が経歴詐称をする場合はノーベル賞受賞者を多数輩出しているシカゴ大学はまず避けるだろう。「あの教授の授業を受けたことはあるか?」などと聞かれたら詰む。さらに、イリノイ大学(U of I)もレベルが高いので避けるかもしれない。あくまでも現地の事情をよく分かっていない日本人をだまくらかすためだけに使う経歴なのだから、自分がいた街のISU(イリノイ州立大学)かイリノイウェズリアン大学か、別の市ではあるものの、どうせ日本人はあまりいないであろう東イリノイ大学を使うかもしれない。
山本お母さん
詐称をする人間はどこかでビクビクしているため、大胆になり切れない面がある。その点、ショーン・K氏はたいしたものだ。テンプル大学を卒業したと述べたが、実際はテンプル大学ジャパンキャンパスを退学している。ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得したことになっていたものの、オープンキャンパスの授業を取っただけ。さらに、パリ第1大学パンテオン・ソルボンヌに留学したことになっていたが、オープンキャンパスの授業を取ったのみ。ハーバード・ビジネス・スクールとパリ第1大学を名乗るとはなんという胆力だろうか。とはいってもハーバード大学とハーバード・ビジネス・スクールは別物という指摘もある。
かくして学歴詐称については「大胆にはやりづらい」という例が見られるが、日本のネット上にもこれの実例がある。この8年ほど更新はしていないが、「山本お母さん」というネタツイッターIDが存在する。このIDは息子が一橋大学卒業ということを誇り、同じくネタアカウントの「佃お母さん」他とバトルすることで知られている。そこにはこんなツイートが並ぶ。
〈佃お母さんは一橋大学がどれだけ経済界に優秀な人材を輩出したか知らないようです。その人材の一人である一橋卒の次男の広貴ですが、少し前に人事課に配属され、「僕を2回落とした東大の学生を圧迫面接して落としている」と喜んで語っていました。これで一橋大学がいかに優れているか分かるはずです〉
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