「池袋暴走事故」から5年…妻子を亡くした遺族が、「93歳の受刑者」との“対話”に見出す未来「被害者、加害者どちらの言葉も社会の財産になる」

国内 社会

  • ブックマーク

A4用紙2枚の“回答”

「彼の言葉をもう1回信じてみたい」

 真剣な眼差しでそう語る松永拓也さん(37)のもとに、一通の封書が届いたのは4月7日の昼下がり。その2週間ほど前に心情等伝達制度を利用し、加害者である飯塚幸三受刑者(92)=禁錮5年の服役中=に対して送った質問への回答だった。【水谷竹秀/ノンフィクション・ライター】

 昨年12月に始まった同制度は、犯罪被害者の心情を刑務所や少年院の職員が聞き取り、受刑者らに伝えるもので、加害者の更生につなげるのが目的だ。...

つづきを読む