無事発見された1000万円黄金茶碗 保管している警視庁は困惑「どこへ返せばいいかわからない」「三つ巴の争いが始まるかも」
三つ巴の争いに発展する可能性も
元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士も、
「これが例えば誰でも知っている有名仏像だったら盗品と気づかなかったのはおかしいという話になるでしょうが、お茶碗ですからね。一貫して知らないと主張されるとB社を罪に問うのは難しいでしょう」
結果、割りを食ってしまったのがC社である。
「古物営業法の決まりで、1年以内にA社から返還請求があれば、古物商であるC社は盗品と知らなかったとしても無償で返還しなくてはなりません」(西脇氏)
ここからは民事の話になる。
「実際、A社から返還請求が入ってC社が返還せざるを得なくなった場合、C社はB社に代金480万円を返すよう請求することになる。続いてB社は堀江容疑者に180万円の返還を請求することになる」(同)
だが、この精算作業は簡単ではない。まず、B社が堀江容疑者から180万円全額を回収することは難しそうだ。
「堀江容疑者と同居している父親も生活保護を受給しており、食べることにさえ困窮していると伝えられています。遣い込んだ50万円が戻ってくることはないでしょう」(前出・記者)
訴訟になる可能性も
するとB社がC社の請求に素直に応じない可能性もある。確かにB社のあざとい動きを見ているとありそうな話だ。
「その場合C社が訴訟を起こすかもしれませんが、それだと弁護士費用がかかる。そこでB社が『訴訟前に自発的に支払うので、金額は話し合わせて欲しい』と和解を持ちかけるなど、色々な可能性が考えられます」(西脇氏)
三つ巴の争いになりかねないややこしい状況なので、警視庁は「どこに返せばいいかわからない」と頭を抱えているワケだ。A社に返還請求を行うつもりなのか電話で尋ねたが、「お話できることは何もありません」とのことだった。
まだ一件落着とはならなそうだが、これだけの騒ぎを起こした茶碗だ。いつの日か「高島屋で盗まれた黄金茶碗」としてプレミアムがつく日が来るかもしれない。