岸田首相が思い描き始めた「総選挙敗北でもサバイブ」というウルトラC
実績を国民に訴えて審判を仰ぎたい思考に
「岸田首相本人には選挙に関する情勢調査の内容がもたらされており、このまま選挙に打って出ても議席の大幅減は不可避との認識があるはずです。普通そういう実態を突きつけられれば自ら身を引くのですが、岸田首相はそうではない判断をする可能性があるとのこと。このまま9月の自民党総裁選を迎えれば立候補すら困難な状態に追い込まれることも自覚しており、それなら、これまでの実績を国民に訴えて審判を仰ぎたい思考になりそうだといった声も聞かれています」(同)
「聞く力」の面目躍如といったところなのだろうか。
「首相が“よし解散だ”と言ったとして、これを羽交締めにしてまで止められる側近は不在です。折り合いが悪くなった麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長の言葉も届かないでしょう」(同)
いざ解散となれば大幅な議席減は避けられず、自公で過半数割れともなれば退陣は不可避のはずだが、それでもなお岸田氏が首相の座にこだわるシナリオも想定されているという。
中曽根康弘元首相時代の解散総選挙
かなり古い話になるのだが、その岸田首相のシナリオについて、中曽根康弘元首相時代の解散総選挙が参考になるかもしれないのだという。
「中曽根氏と言うと1986年の衆参同日選での大勝が思い浮かぶかもしれませんが、今見るべきは1983年12月の総選挙です。田中角栄元首相がロッキード事件の1審判決で実刑判決を受けた後に行われた選挙で自民党は過半数割れしました。中曽根氏は“田中氏の政治的影響力の排除”を発表する一方、新自由クラブと連立を組んで危機を乗り切ろうとしました。今回、過半数割れとなれば、日本維新の会に連立を打診するプランが頭の体操レベルではあるようです」(同)
維新は与党を過半数割れに追い込む目標を立てつつも、それが果たされれば連立入りも否定していない。
「仮に維新の馬場伸幸代表が“連立入りの条件は岸田首相”と打ち出せば、首相も生き残る道ができます。維新は特に関西の小選挙区で公明と激しくやり合うことになるわけですが、1つか2つの選挙区で維新が譲歩する姿勢を事前に見せていれば公明も維新の連立入りに全面否定はしにくいと見られています」(同)
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