大谷翔平の代理人事務所の“失態”は「今回が初めてではない」 水原元通訳の不正流用で「バレロ解任」という大ナタ
格安契約で代理人交代説も
さらにスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」の敏腕記者ケン・ローゼンタール氏は「水原が口座情報の開示を拒んだら警報のサインが出ていたのではないか。大谷を不機嫌にさせると他の代理人に代えられるとでも思ったのか」とCAAサイドの無策を痛烈に批判した。
大谷はエンゼルス時代の21、22年と総額850万ドル(約9億円=レートは当時)で契約していた。大谷の成績は21年が「9勝、46本塁打」、22年は「15勝、34本塁打」で、二刀流で投打に大車輪の活躍を演じることになる。
「エースと主砲、2人分の働きになったにもかかわらず、バレロは20年のオフに、こんな格安の契約しか結べなかった。われわれの世界では、この2年間の大谷の契約は『代理人の失態』と言われていました。大谷はフリーエージェント(FA)になり、巨額契約が望める23年オフを見越し、代理人をバレロから代えるのではないかとみていました」(前出の代理人)
大谷の代理人契約を巡っては、渡米時から辣腕代理人で「吸血鬼」の異名を取るスコット・ボラス氏が虎視眈々と狙っていた。バレロ氏との契約後も、大谷の恩師である岩手・花巻東高校の佐々木洋監督に接近しようとするなど、大谷の周辺の切り崩しを図っていたという。
FTX破綻でアンバサダー報酬がパーに
「CAAもボラス側の動きは把握していたようです。あることないことを吹聴し、ライバルを追い落とそうとすることなどは代理人の世界の常です。この頃はCAAに危機感がなかったはずがありません」(前出の代理人)
CAAの失態はさらに続いた。
22年11月、大谷がアンバサダーの一員だった暗号資産(仮想通貨)大手交換所「FTXトレーディング」が杜撰な経営手法により経営破綻したことがあった。直後に、損害を被った投資家たちが同社の宣伝に関わったことで賠償責任があるとして大谷らアンバサダーに対し、集団提訴する事態に発展したのだった。
「結果的に、FTXの件は大ごとには至らなかったものの、大谷のイメージに大打撃を与えかねませんでした。FTXとのアンバサダー契約を取ってきたのはCAAです。しかも大谷の報酬は仮想通貨や同社の株式だったようで、全て失うことになったそうです。お金に無頓着な大谷も、これでは不信感を抱くだろうと思っていたのですが……」(同代理人)
それでも、大谷はバレロ氏との代理人契約を継続した。一方でこの時既に、水原容疑者による不正送金が行われていた。
「FTXの時に代理人事務所が代わっていれば、新たなチームが大谷の口座管理に乗り出していた可能性は少なからず、あったでしょう。不正送金の被害を拡大させない最後のチャンスだったのかもしれません」(同)
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