「去年は“海外治験”で530万円稼いだ」“現役チケラー”が打ち明ける「治験の醍醐味」と「健康被害よりも重大なリスク」とは?
前編【入院8泊9日で「120万円」も 高額報酬で話題の「海外治験」は本当に安全なのか? 担当者が明かす日本人向け治験ならではの特殊事情】からのつづき
円安と物価高で“海外治験”のボランティア報酬が高騰しているという。中には入院8泊9日で120万円の募集ケースもあるとか。実際に参加するのはどんな人たちなのか。現在進行形で海外治験ライフを実践中の男女2名に話を聞いた。
(前後編の後編/前編の続き)
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一撃で報酬200万円ゲット
まず取材に応じてくれたのは、イギリス在住の結城さん(30代女性/仮名)。職業は現地法人の営業職だ。日本にいる頃から治験の存在は知っていたそうだが、初めて海外治験に応募したのはワーキングホリデービザでイギリスに滞在していた2018年のことだった。
――なぜ不慣れな海外で治験を?
「やはり報酬に惹かれてというのが1番の理由ですね。イギリスはワーホリのビザで2年間滞在できるのですが、私は観光がメインだったので、ワークというよりホリデーばっかり。すると当然、お金の不安が出てきますよね」
――なるほど。これまで何回の治験に?過去最高の報酬額も教えてください。
「治験に参加するためには、事前にスクリーニングという検査に参加する必要があるのですが、毎回合格できるわけではありません。私は全部で4回応募して、実際に治験に臨んだのは2回。過去最高額は2022年に参加した治験で、2週間の入院と事後検診のトータル約4か月で約200万円もらえました」
――200万円はすごいですね。報酬は何に使ったんですか。
「実はイギリスの前はマルタの会社で働いていたのですが、日本市場がクローズになってしまい、私はクビに。イギリスの会社への転職活動中に参加したのが当時の治験でした。無職だとお金が減っていくばかりですが、治験の期間中は住居も食事も提供してもらえるので、生活費もかかりません。節約もできて、まとまったお金も手に入り助かりました」
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