肥満薬で「治験データを改ざん」「医療倫理的にアウト」 小林製薬のずさんな企業体質を関係者が証言
「厚顔無恥な被害者面」
また、データ改ざんだけでなく、治験方法そのものにも大きな問題があった。
「被験者に治験を実施した病院の職員が含まれていたことも、医療倫理的にはアウトでした。利害関係者から客観的なデータが取れるわけがないからです」(同)
最終的に小林製薬はSSI社から金銭的補償を受け取ったようだが、
「とにかく、小林製薬は強気の姿勢を崩さずに終始一貫、厚顔無恥な被害者面を続けたそうです。両社の交渉は幹部同士で行われましたが、SSI社の側から“どうして無茶な治験をやろうと思ったのか”などと質問されても、“ウチは医薬品の開発に関しては何も分かりませんから”と言い訳ばかりだったと。しまいには“だから御社みたいなプロに任せたんだ”と、開き直る始末だったと聞きました」(同)
調査報告書の作成に携わったとある人物は、調査を機に小林製薬のいいかげんさを知り、「もう二度と同社の商品は買いません」とあきれ返ったという。
消費者の健康を軽視
医薬情報研究所エス・アイ・シーの堀美智子氏も、
「小林製薬は商品が売れればよいという姿勢が強すぎて消費者の健康を軽視しているように見えます。処方薬は取り扱っていませんが、そんな会社が市販薬やサプリを販売しているのは問題だと思います」
消費者の健康を軽視している具体例としては、
「例えば、尿路感染症などの排尿トラブルを改善するとされている、ボーコレンという製品があるのですが、この成分は抗生物質がない時代に使用されていた古い漢方薬です。しかし、小林製薬は13年前から売り出し、すごい効果があるようにCMで謳っている。結果として、最初から抗生物質の入った処方薬を使ったらすぐ治る可能性が高い場合でも、病院へ行かずにボーコレンを使い続け、膀胱炎などの症状が悪化してしまう人が出てくるわけです」(同)
聞けば聞くほど、紅麹サプリの健康被害が引き起こされる下地が整えられていたとしか思えない。小林製薬のずさんな企業体質が明るみに出つつある今、消費者から三くだり半を突きつけられる日も近いのではあるまいか。
関連記事「『ケチさと目ざとさにかけては天下一品』『製薬会社とは名ばかり』 小林製薬の強欲すぎる企業体質とは」では、消費者の健康度外視の強欲すぎる企業体質について詳しく報じている。
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