肥満薬で「治験データを改ざん」「医療倫理的にアウト」 小林製薬のずさんな企業体質を関係者が証言

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治験前のBMIを偽装

 治験は肥満症改善薬を摂取させ、身長と体重から算出される体格指数=BMIがどれだけ変化したかを計測する単純なものだった。

「しかし、小林製薬はBMIの値が元より大きい、つまり、肥満度が高い被験者を大勢集めなくてはいけない条件を設定していました。これは与えられた期間に対して非常にハードルが高かった。SSI社の治験コーディネーターは、この条件に沿う被験者を集めるようにと何度も圧力をかけられ、結果としてデータ改ざんに手を染めてしまいました。被験者6名の身長を実際よりも低く記録し、治験前のBMIを大きな値へと偽装したのです」(同)

 13年、治験の舞台となった大阪市内の病院の心ある職員たちの告発によりデータ改ざんが発覚したが、小林製薬は自らの責任を省みることなく、それどころか、SSI社から被害を受けたとして損害に対する補償を請求していくと主張した。

2154万円もの謝金

 さる製薬会社の関係者は小林製薬の主張についてこう疑義を呈する。

「治験の担当医師だったこの病院の内科部長に、小林製薬は2154万円もの高額すぎる謝金を支払っていました。これは限りなく利益相反に近い行為だったといえるでしょう。同社が担当医師と結託し、自らの意に沿うよう治験をコントロールしたとみられても致し方ありません」

 実際、13年に作成されたこの不祥事に関する調査報告書には、SSI社の治験コーディネーターは担当医師の合意のもとでデータ改ざんに手を染めた疑いがある旨が記されている。

 むろん、最終的にデータ改ざんを行ったSSI社の治験コーディネーターにも責任はあろうが、小林製薬の瑕疵(かし)が全く不問にされている現状はおかしいと言わざるを得ない。

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