要介護リスクを29%低減! 日本が誇る最強の健康法「お風呂」は何がすごい? 最適な温度をプロが指南
熱いお湯は肌荒れにつながる
とはいえ、心臓や肺の機能が落ちている高齢者などにとって、上半身に水圧がかからない半身浴は楽な入浴法ですから、半身浴そのものが悪いというわけではありません。
ダイエットを気にしている人の中には美容に気を使っている人も多いのではないかと思います。スキンケアの観点から大事なのは、やはり42度以上のお湯に漬からないことです。42度以上の湯船に入っていると、かゆみの原因物質であるヒスタミンが体内で生成されてしまいます。また、肌は熱変性するたんぱく質で作られていますので、熱いお湯に漬かると肌荒れにつながります。
冷え性のところでも説明しましたが、「42度」はいろいろな意味でひとつの境目です。興奮を促進する交感神経のスイッチが入るのも42度、血液の塊ができやすくなるのも42度、そして肌荒れが進むのも42度……。
日本では夏の暑い日でも、気温が40度になることはあっても42度に上がることはありません。人間の住む環境にはなかなか存在しない温度のため、お湯も42度以上になると人体に“異変”を生じさせるのではないかと考えられます。
入浴における「湯加減」は、気持ちの良し悪し以上に健康面で極めて重要なのです。
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