敷地400坪、土地だけで6億円 “紅麹問題”で揺れる小林製薬の創業家の「ブルーレット御殿」

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「紅麹問題」の裏で

 小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」摂取後に体調不良を訴える被害者が続出した問題は、4月2日時点で死者5人、入院者は157人を数える。3月30日には、紅麴原料を製造していた大阪市淀川区にある大阪工場に大阪市と厚生労働省の立ち入り検査が入った。

 前日29日、4時間半に及ぶ会見で小林章浩社長(52)は健康被害の原因について「大阪工場で想定外の成分が混入した疑いがある」と述べ謝罪。大阪工場の創業は1940年と古く、昨年12月に閉鎖となった。だがその老朽化した工場の壁などの隙間や穴から想定外の成分の原因とみられる青かびが入り込んだ可能性が指摘されている。

 数々のヒット商品で知られる同社の創業は1886年。その長い歴史は誇りでもあるのだろうが、工場の古さは自慢にもなるまい。

 築80年余りというオンボロ工場と、同社トップの豪邸とのギャップはあまりにも大きい。製薬会社としてコストをかけるべき場所はどこだったのか――。

約400坪の「ブルーレット御殿」

 同社をここまで大きくした功労者は、謝罪会見で頭を下げた章浩社長の父、一雅会長(84)である。住まいは超高級住宅街とされる兵庫県芦屋市六麓荘(ろくろくそう)町の一等地。敷地面積約400坪、地上2階地下1階の大豪邸だ。

 豪邸の主の口癖は「小さな池の大きな魚」。つまり誰も参入していない未開拓領域で大きなシェアを狙う戦略を意味する。中興の祖となった小林会長の成功の定跡なのだ。26歳で米国に留学した際、青い水が流れ、よい香りがするトイレを見て驚いた彼が、帰国して自ら開発したのが「ブルーレット」だった。くみ取り式トイレが多かった時代に販売され、水洗トイレの普及とともに大ヒット商品へ成長。累計売り上げは5000億円近いとも推定されている。この豪邸はまさに「ブルーレット御殿」といえる。

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