ミャンマー兵にされるロヒンギャの悲劇… 嘘つき「国軍」の酷すぎる所業とは

国際

  • ブックマーク

国境管理が厳重に

 ラカイン州ではアラカン軍の攻勢がつづいている。ほぼ半分はアラカン軍の支配エリアになったという。毎日のように、「アラカン軍がミンビアにある国軍基地を占領」といった情報が入る。国軍と対立してきたラカイン人の意気はあがる。

 しかしこの戦況も、ロヒンギャを追い込めることになっている。アラカン軍に追われた国軍兵士は、隣国のインドとバングラデシュに越境し、投降するケースが後をたたない。結果、インドとバングラデシュは国境管理をより強めている。ロヒンギャは難民としてバングラデシュに向かうことが難しくなってきているのだ。

 ロヒンギャはガザ地区のパレスチナ人のようにラカイン州に閉じ込められ、国軍の暴挙におびえている。

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)
1954(昭和29)年、長野県生れ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。『ホテルバンコクにようこそ』『新・バンコク探検』『5万4千円でアジア大横断』『格安エアラインで世界一周』『愛蔵と泡盛酒場「山原船」物語』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『沖縄の離島 路線バスの旅』『コロナ禍を旅する』など、アジアと旅に関する著書多数。『南の島の甲子園―八重山商工の夏』でミズノスポーツライター賞最優秀賞。近著に『僕はこんなふうに旅をしてきた』(朝日文庫)。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。