キムタク新ドラマ「Believe」 「岩盤支持率狙いで高視聴率は間違いない」と囁かれる根拠

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岩盤支持層を見誤りコケた映画も

 キムタクの岩盤支持層の存在を見誤ってヒットに至らなかったと思われるのが2023年の映画「レジェンド&バタフライ」である。キムタクが織田信長に扮した。

 製作費約20億円を投じたこの作品の興行収入は約25億円だった。観客が映画館で支払う入場料の総額である興収は、製作側と映画館側が折半するから、最低でも製作費が賄える40億円は欲しかったが、届かなかった。

 この作品がヒットに至らなかったのは、50代以上の女性に敬遠されたからに違いない。キムタクの演じた信長は粗野で無骨。残忍な面もある。おまけに女性に対して横柄。しかも合戦シーンは生々しく、むごたらしかった。

「教場0」と同じく、50代以上の女性の代わりに若い世代が観てくれれば良かったのだろうが、生憎と若い世代は一般的に時代劇が苦手。作品の質は別とし、観客ターゲットがどこにあるのか分からなくなってしまった。この映画を封切りから間もなく観に行ったが、早くも空席がかなり目立ち、ガラガラと言って良い状態だった。

岩盤支持層と若い世代をダブルで狙う

 一方、「Believe」は50代以上の女性はもちろん、それ以外の層の支持も取り付けたいだろう。若い世代にも観てもらわないと、コア視聴率が上がらず、スポットCM(番組と番組の合間などに流れる15秒のCM)の値段も高くならない。そうでなくてもテレ朝はコアの数字があまり良くない。

 若い世代にも観てもらうため、まず共演者を工夫するのではないか。「未来への10カウント」では、キムタクが指導するボクシング部員役でKing & Princeの高橋海人(25)、村上虹郎(27)、櫻井海音(22)、山田杏奈(23)らを起用した。若い世代の視聴者を引き寄せるためでもあったはず。ただし、若い世代の個人視聴率は高まらず、功を奏したとは言いがたい。

「Believe」の共演者はまだ公式発表されていないが、キムタクの妻は天海祐希(56)、刑務所の所長は上川隆也(58)が演じるという。若い世代を意識したと思われる配役は、被害者と刑事の2役を務める竹内涼真(30)、キムタクのゼネコンでの部下役の一ノ瀬颯(27)、その恋人役の山本舞香(26)ら。

 岩盤支持層以外も惹き付けることが出来るか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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