「カリスマ美容師」はコンビニで何を買う シャンプーの合間の「アルフォート」と日本の男子をオシャレにした定番商品

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「エレラヘアスプレー」がいかにすごいかって話

渡辺:白状すると、僕自身はニュース番組とか出演するようになるまで髪に2000円以上かけない主義だったんです。オシャレ全般そうなんですけど、あまり考えたくなくて……。

青木:スタイリングとか面倒な人はパーマとかおすすめです。

渡辺:やってもらおうかな。でも、いまのスタイリストさんへの言い訳が必要だな。めちゃくちゃお世話になってるのが気になりまくるけど。ずっと担当していたお客さんが急に来なくなったら、やっぱりちょっと寂しいですよね?

青木:確かに。

渡辺:コンビニとは接客の距離感が違うし、信頼関係あるから美容室の物販が売れるのもわかります。美容師さんってトーク力も大事ですか?

青木:話しかけられるのが苦手な方もいるので、お客様に合わせることが大事ですね。いつも僕は職場近くのコンビニ店員さんと軽く挨拶しますが、お互いに「今日もいるな」って距離感がなんかいいですよね。

渡辺:だいたい同じものばかり買っていたらあだ名つけられるんですけど、青木さんは日頃から単品ではなく、いろんな商品を買っていそうですね。

青木:セブンのりんご酢ドリンクとかもお気に入りです。あまり僕の周りで買っている人でいないんですけど。

渡辺:好きな商品を同じ店で買い続けるって大事なんですよ。なんたって3,000品の品揃えが1年で7割入れ替わりますから。熾烈な争いの中で生き残った商品は超エリートです。

青木:じゃあ、リンゴ酢もエリートなんですね?

渡辺:超エリートです。そして「エレラヘアスプレー」がいかにすごいかという。だってガチガチに固めるだけで、販促とかしていないんですよ?

青木:いつか僕も自社商品をコンビニに置きたいですね。

渡辺:基本的にコンビニはマスに長く継続的に売れ続ける商品開発が大事で、どうしても価格競争や、ブランド力・宣伝力の競争に陥りやすいんですよね。国内市場は今後縮小していくし、むしろ青木さん世代には世界で売れるものをつくってほしいとも思います。

青木:うちはいま海外のお客様も増えていて、今年は僕もヘアセミナーなどでアジア圏を巡る予定です。海外では日本の美容師のサービス力や技術の細かさが評価されていて、プロダクトの提案も含めて現地の美容師さんと交流しながら、アジア圏へ進出したいなと。

渡辺:日本の強みや特性を商品に落とし込んで、そのエリアの顧客とニーズに合った商品で海外展開する方向が、日本のコンビニを目指すよりいいかもしれないですよ。せっかく顧客に合わせたサービスを普段からやられているのだから、同じような考え方で商品開発もすべきというか。日本の人気商品を持っていけば喜んでくれるって先進国意識のままだと、今後は難しい気がします。……なんか青木さんと話していたら、パーマやってもらいたいモードになってきたな。やっぱりラクですか?

青木:普段は何もしなくていいです。

渡辺:めちゃめちゃ僕向きだ。これ以上モテてしまいますか? 笑

青木:さらにモテます。

青木大地(あおき・だいち)
株式会社COA代表取締役社長。銀座駅前に計170坪サロンCOA GINZAをオープン。その後千葉駅前、そして表参道駅前にも7月オープン予定。 1店舗月売上9000万達成しホットペッパー アワード年間1位受賞。自社ブランドCOA PLUS開発責任者。国内130店舗販売、世界展開。サロンワークのみならず経営戦略、雑誌、業界誌、テレビ・メディア出演、大手メーカー開発協力、講師活動、セミナー、メーカー広告、開発、撮影と活動は多岐にわたる。KAMI CHARISMA(カミカリスマ)2024受賞。著書に『令和のレイヤー完全攻略本』。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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