「大谷・水原コンビ」の近すぎる関係は「不思議ではありません」 元阪神通訳が明かす「仕事の8割はプライベートのケア」「経費は毎回“現金精算”」
“生活費”口座を任されていた可能性も
一方、水原氏の違法送金事件については、同氏がドジャースを追われた今もなお、さまざまな議論や憶測が絶えない。
「僕も通訳をしていた頃には選手から色々な買い物を頼まれましたが、その都度、現金を受け取って精算していました。ただこれは約20年前の話ですから、キャッシュレス決済が進んだ現在は、現金のやり取りは少なくなっているかもしれません」
河島氏は「選手個人の銀行口座に触れたことはなかった」という通訳時代の経験を踏まえながら、今回の違法送金問題の背景にある「大谷選手の個人口座を誰が管理し、どのように送金に至ったのか」という点についても持論を展開する。
「球団と大谷選手との金銭のやりとりは、おそらく代理人が担当していて、大谷選手の希望を聞きながら、それぞれの銀行口座に指定の金額を割り振っていたのではないかと思うんです。その割り振られた額の一部には、大谷選手本人の裁量で動かせる生活費というか、プライベートな予算があり、それらの口座の管理を水原さんが任されていた可能性は考えられると思います」
大谷の口座から送金された金額は、生活費としてはあまりに高額で、不自然なようにも思えるが……。
「確かに、一般的な水準で考えると生活費としては高額に思えますが、金額に対する価値観は人それぞれですし、大谷選手の場合はそれこそ、チームメイトやその家族と食事に行って支払いが数十万円にのぼることも考えられる。こうしたレストランでの食事代や、移動に用いる自動車のガソリン代や駐車場代といった日常的な支払いは、店員との英語でのやり取りがともなうケースも多い。そのため、二人が信頼を深めていくうちに、自然と水原さんが支払いをまとめて担うようになったとしてもおかしくはないと思います」
「メジャー選手の通訳」になる3つの方法
今年も今永昇太投手(シカゴ・カブス)らがメジャーリーグへと渡ったが、日本人選手の活躍とともに、通訳に視線が集まる機会も年々増えつつある。
自身が通訳になったのは「球団職員の公募がきっかけだった」と話す河島氏に、日本人メジャーリーガーの通訳になるための方法を尋ねると、「選手のために通訳を探している代理人、あるいは球団関係者に出会って採用される。もしくは選手個人から直接依頼を受けて通訳に就任するケースが一般的です」。とはいえ、もし通訳になれたとしても、「さまざまな試練に直面することになるだろう」と同氏は指摘する。
「担当した選手が実際にメジャーで活躍できるかはシーズンが開幕しないと分かりません。それこそ、シーズン序盤に怪我をして試合に出られなかったり、1年で解雇されてしまう可能性もある。そして、担当する選手がマイナーに降格してしまったら、長時間のバス移動が待っている。それも人生経験にはなるかもしれませんが、華やかな世界を味わえるかどうかという点では、さまざまなリスクが伴います」
数々のハードルを乗り越えて大谷選手の活躍を支えた水原氏には、大谷選手と共に歩み続ける未来を期待する者も多かったが……。アメリカン・ドリームへの道は、とてつもなく険しいようだ。