水原一平氏「違法賭博問題」 急転直下の“訴追”でようやく解けたナゾ

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大谷が出ない日はない

 大谷翔平(29=ドジャース)の専属通訳だった水原一平氏(39)の違法賭博事件が急転直下の展開を見せている。日本時間13日午前6時前、水原氏はロサンゼルス市内の連邦裁判所に出廷した。この2日前、米連邦検察は、水原氏が1600万ドル(約24億5000万円)を不正に電子送金した「銀行詐欺」の疑いで訴追したと発表していた。送金期間は、2021年11月から24年1月まで。出廷した水原氏は容疑を認め、保釈金2万5000ドル(約380万円)を支払い、保釈された。

 水原氏は米国に極秘帰国しており、連邦捜査局(FBI)との「司法取引」に応じ、容疑を認める方向で交渉が進んでいた。これで、捜査は終結へ向かうと米メディアは報じているが、これまで米国のメディアは、大谷について連日報じている。

 現地時間4月9日のツインズ戦で、大谷は6試合連続安打となる右中間の二塁打を放ち、打率は3割3分3厘になった。2試合連続本塁打と、6試合連続マルチ安打(複数)はならなかったが、昨季までとの大きな違いは、所属チームが勝っていることだろう。昨季までは投打で活躍しても、チームは敗れる状況が多かったが、ドジャースでは大谷の活躍が全てではなく、“加算”となって、ナ・リーグ最速での10勝目到達となった。

「地元TV局・スポーツネットLAでも中継されています。放送中、大谷の二塁打の打球速度が113.7マイルを超えていたことが紹介されると、解説者で通算204勝を挙げたオーレル・ハーシュハイザー氏が、『ボールが焼け焦げたような一撃だった。聞いたことのないような打球音がした。ボールが別の物体になっていた』と驚嘆していました。実際、一・二塁間を抜けた打球が右中間フェンスまで届き、スタンドのファンもびっくりしていました。米スポーツ専門局ESPNは『あえて課題を言うなら』と前置きしてから、大谷の得点圏打率が0割7分7厘(同時点)と、極端に低いことも紹介していました」(米国人ライター)

 ドジャースは言うまでもなく人気チームである。今後もさまざまな記録やデータが紹介されそうだが、この間の報道は試合に関することだけではなかった。

「4月8日の試合前でした。プレイボールの掛かる3時間くらい前に大谷の囲み会見がありました。カメラを入れて約40人、シーズン中の囲み取材ではかなり多くのメディアが集まったと思います。『ゲームに集中するため、どんなことをしているのか』というギリギリの質問もされました」(前出・同)

 大谷は「余計なことは考えないようにしている」と答えたが、内心は穏やかではなかったはずだ。ドジャースも3月25日の大谷の声明以降、会見を控えてきたが、

「山本由伸(25)がメジャー初勝利を挙げた6日、MLB機構もリリースを発表しています。ピッチクロックに関する健康面への疑念が上がったことと、水原氏による違法賭博についてです。MLB機構も独自の調査を進めており、『真相究明までさほど時間を要さない』と表明しました。それから5日後に水原氏は訴追されたのです」(現地メディア関係者)

違法送金のカラクリは?

 MLB機構が選手、球団スタッフの事件・疑惑において、捜査当局とは別に独自に調査するのは決して珍しいことではない。一例を挙げれば、トレバー・バウアー(33)のDV疑惑がある。裁判では無罪を証明できたが、社会的な影響などを加味し、MLB機構は司法当局とは別に「長期間の出場停止処分」を課している。

「ただ、多くの米メディアは、今回の事件捜査は長期化するのではないかと見ていました」(前出・同)

 大谷が「口座からお金を盗まれた」「彼のギャンブル狂は知らなかった」「自分は、賭け事はやったことがない」とする声明を発表した3月25日、ESPN局はMLB機構スタッフのコメントとして、こんな一報を伝えた。

「連邦捜査局の捜査官がMLB機構に出向き、『我々の捜査に制限はなく、自由に進める権利がある』と念押しをした。連邦捜査局は水原通訳の容疑で動いていた。MLB機構のスタッフは『(連邦捜査局から)この件について、何も情報は提供されていない』とも話していた。さらに、『この捜査は、数年は掛かるのではないか。長期化するだろう』とも」

 今回の訴追はMLBにとっても寝耳に水だったようだ。

「大谷が今回の事件に関わっていないことが完全に立証されるまで、捜査が終わらないのは確かでしょう。米国の野球ファンの多くは、大谷が違法賭博そのものについては無関係であることを信じています。ただ、『送金』に関しては別。水原氏が大谷の銀行口座から勝手に大金を、それも何度も送金することが本当にできたのかどうか。この謎を指摘する記事は多かったですね」(前出・米国人ライター)

 この点について、米連邦検察の会見では「大谷の銀行口座の連絡先が水原氏の電話番号などに変更され、銀行とのやりとりでは水原氏が大谷になりすまし送金していた」とし、関連する証拠もあるとした。

 送金に関して、「知らなかった」とする大谷の声明を信じる人は多いが、メジャーリーグのルールでは全ての選手、監督、コーチ、球団スタッフが野球賭博には関わってはならないとある。“ちょっと”でも関われば、永久追放となる可能性があるだけにファンの関心も高かったようだ。

「当初は450万ドル(約6億8000万円)と伝えられましたが、1600万ドル(約24億5000万円)もの大金が、反社会的組織に流れたことが今回の事件で一番の問題です。それだけのお金が動いていることを、大谷は本当に知らなかったのか……」(前出・地元メディア関係者)

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