テレ東が開局以来の快挙…フジを抜いて「初の最下位脱出」がさっぱり話題にならないのはなぜか

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世帯視聴率でのPRを続けるテレ朝

 池上彰氏は2年近く前の時点で「いま各テレビ局は世帯視聴率は問題にしていないんです。個人視聴率あるいはコア視聴率といって、世帯より個人が重視されるようになっています」と書いた(2022年6月3日、東洋経済オンライン)。

 日本民間放送連盟民放連会長でフジ副会長の遠藤龍之介氏(67)も昨年1月に「世帯視聴率は時代に合わなくなってきた」と公言している。それでも世帯視聴率は消えない。

 その理由の1つは世帯視聴率が良いテレ朝が「2023年度の年間世帯視聴率は2年度連続で3冠王」(4月1日)などとPRするからである。

 テレ朝も自分のところでは世帯視聴率を使っていないが、それでも数字の高さを誇示する。力をアピールしたいのだろう。はたして視聴者の利益が第1に考えられているのだろうか。日テレやTBS、フジは世帯視聴率での発表など一切しない。

「視聴率は観る側に関係ない」という人もいる。確かにその通り。ただし、どんな番組が世間でウケているのかを知っておいても損ではないはず。その上で自分の好きな番組を選べばいいのではないか。

 なにより、低視聴率番組を根拠なく「好調」と謳う民放もある。そんな虚言に騙されないためには視聴率を把握しておいたほうがいい。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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