テレ東が開局以来の快挙…フジを抜いて「初の最下位脱出」がさっぱり話題にならないのはなぜか

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世帯と個人では順位が変動

 1月クールの週単位のゴールデン帯での世帯視聴率争いにおいて、テレ東は1月第1週、同第4週、2月第1週、同第4週、同第5週、3月第2週、同3週でフジを上回った。これではフジが1月クールでテレ東に勝てるはずがない。2月第4週のテレ東の数字はTBSをも超えた。

 その2月第4週の各局のゴールデン帯における世帯視聴率の平均値は次の通り。

【2月第4週の世帯視聴率】
1位:テレビ朝日 10.0%
2位:日本テレビ 8.8%
3位:テレビ東京 6.8%
4位:TBS    6.6%
5位:フジテレビ 5.2%

 次に同じ2月第4週の個人視聴率を見てみたい。テレ東が健闘し、フジが劣勢なのは同じだが、順位が変動する。TBSとテレ東が入れ替わる。

【2月第4週の個人視聴率】
1位:テレビ朝日 6.0%
2位:日本テレビ 5.6%
3位:TBS    4.2%
4位:テレビ東京 4.1%
5位:フジ    3.3%

 これが世帯視聴率の危うさの1つである。視聴者総数を表す個人視聴率では下であろうが、観ている家が多いと数値が高くなってしまう。1人世帯であろうが、5人世帯であろうが、区別できない。

収益に直結するコア視聴率

 さらに各局が重視し、特に日テレとフジは最優先すると公言しているコア視聴率も記したい。コア視聴率とは13歳から49歳に限定した個人視聴率で、スポンサーが歓迎するから、収益に直結する。やはり2月第4週だが、順位は大きく変わる。

【2月第4週のコア視聴率】
1位:日本テレビ 4.6%
2位:TBS    3.2%
3位:フジ    2.8%
4位:テレビ朝日 2.3%
5位:テレビ東京 1.5%

「相棒」(3月末終了)や「ザワつく!金曜日」(金曜午後6時50分)などやはり高齢者に強い番組を有するテレ朝も世帯視聴率は高いが、コア視聴率は低い。その結果、CMの売上高はこうなる。最新の2022年度のものだ。2023年度の数字は2024年5月に出る。

【2022年度CM売上高】
1位:日本テレビ 約2369億800万円
2位:テレビ朝日 約1791億4100万円
3位:TBS    約1628億8500万円
4位:フジテレビ 約1603億8000万円
5位:テレビ東京 約1134億6600万円

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