「マスターズ」開幕 今年も連戦スタイルの松山英樹 快晴続きで我慢比べになった方が有利か

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優勝予想は難しい

 世界ランキング3位のジョン・ラームは、昨年のマスターズ覇者。彼は昨年12月にリブゴルフへ移籍したため、今週はPGAツアーの「旧友たち」と移籍以来はじめて顔を合わせ、ともに戦うことになる。

 4月上旬にリモート会見に臨んだラームは、リブゴルフに移籍してからオーガスタ・ナショナルに戻ってプレーしたことは、今月のはじめまで「一度もなかった」と明かした。だが、「昨年の優勝以来、マスターズ・ウィークに初めてオーガスタを訪れる形にはしたくなかった」という。そのワケは「チャンピオンズ・ロッカールームに行き、自分の名前が付けられたチャンピオン専用ロッカーを見ると、とても興奮してしまいそうだからだ」という。

 マスターズ・チャンピオンになったことを「とても特別なこと」と受け止め、オーガスタ・ナショナルとマスターズにリスペクトを払う姿勢は、PGAツアー選手もリブゴルフ選手も同じだ。

 世界ランキング4位のウィンダム・クラークは、昨年の全米オープン覇者。今年はAT&Tペブルビーチ・プロアマを制し、通算3勝を挙げている。そんなクラークにとって今年がマスターズ初出場であることは、きわめて意外な事実だ。

 そして世界ランキング5位のザンダー・シャウフェレは、ツアー選手権を含む通算7勝の強者。しかし、メジャー大会は未勝利で、マスターズ優勝は彼の悲願でもある。

 それぞれの選手が、それぞれに強い想いを抱いて臨む今年のマスターズ。データや戦績、ランキングから眺めてみても、誰が勝つのかはまったく予想ができないほど混沌としている。だが、サンデー・アフタヌーンが暮れいくとき、グリーン・ジャケットを羽織るのはたった1人だ。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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