実は“女性客”が急増中…「紳士服チェーン」復活の意外すぎる理由 若者世代の「オーダースーツ」人気も後押し
実は“女性のニーズ”も高い、その理由とは?
――女性向けですか? そういえば、紳士服チェーンのCMキャラクターは、AOKIが上戸彩さんや今田美桜さん、洋服の青山は橋本環奈さんや元卓球選手の石川佳純さんなど、錚々たる女性タレントや有名人が採用されていますね。
「女性向けの場合、男性と大きく違い“制服廃止”の動きが強くなったことが市場拡大に作用しています。たとえば、これまでメガバンクでは、女性社員はカチッとした制服を着用し、男性のみカジュアル化が先行している印象でした。しかし、最近はジェンダーフリーの流れも手伝って、金融機関のみならず幅広い業種で、女性の制服を廃止する動きが拡がっています。その結果、必然的に自ら“仕事着”を選択しなければならない状況が生まれたわけです。社内の女性社員に話を聞くと、基本的にはカジュアルすぎず、かといってリクルートスーツほどカチッとしたものではないスタイルの服を選ぶのだとか。実は、最近の紳士服チェーンは、女性向けのジャケットやパンツはもちろん、ブラウスやニットなどの品ぞろえも豊富。さらに、数万人のフォロワーを抱える女性の社員モデルがいて、1週間分の着回しを紹介してくれるそうです。そもそも仕事着は、高級品を長く着用するのではなく、値ごろ感のあるものを購入して、1~2シーズンで買い替えることが多い。いわゆる勝負服とは別に、普段使いでも天候や訪問先によっても使い分けているようです。こうした働く女性のコスパ、タイパを含めた細かいニーズを上手く商品化することで、若い世代を中心に支持を集めているのだと思います」