阿部巨人が「筒香嘉智」獲得に動いた切実な事情

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阿部采配で見えてきた「足を使う野球」

 奇しくも、阿部監督が「筒香を調査中」と明言した7日、左打ちの好打者・丸佳浩(35 )が初回の走塁中、右太股裏の違和感を訴え、途中交代してしまった。

「11日に神宮球場で行われるヤクルト戦からの再合流を目指すようですが、どうでしょうか。ベテラン選手ゆえ、回復具合を慎重に見極めると思います」(スポーツ紙記者)

 一発が少なくなった巨人打線は「足」に活路を見出そうとしている。7日の試合、3点目を奪った3回の攻撃だが、一死三塁となったところで、ベンチの阿部監督がサインを送った。三塁走者の門脇誠(23)がそれを確認し、打者・松原聖弥(29)がバント。しかし、門脇はDeNA投手の大貫晋一(30)が打球を拾う寸前に、三塁に戻ってしまった。俊足・松原のスピードで一塁セーフ。松原は首を傾げていたので「スクイズ失敗」、一塁セーフは結果オーライと思われた。その後、主砲・岡本に打席がまわり、1点が入ったが、試合後の阿部監督は、門脇の動きは松原を一塁セーフにさせるためのフェイクプレーだったことを明かしている。

「阿部監督の作戦はバントを多用しており、手堅いものが多いです。開幕カードの阪神3連戦では、要所で配球サインを出していました。ルーキーの西舘勇陽(22)が臆することなく、ストレート勝負を挑んだのは阿部監督のサインによるものです」(前出・ライバル球団スコアラー)

 ベンチからバッテリーサインまで出す指揮官というと、ヤクルト監督時代の野村克也氏が思い出される。原辰徳監督の時代にはなかったベンチワークでもある。

「現状では、ホームランの期待できるバッターが岡本だけ。ホームランによるビッグイニングが期待できなければ、足を絡めていくしかありません。手堅い攻撃をするのが、今の巨人です」(前出・同)

 筒香のNPB帰還に対し、「古巣でプレーして欲しかった」の声は少なくない。しかし、今のベイスターズには筒香にレギュラーを保障できるポジションも空いていない。かつてのチーム功労者にベンチスタートを強いるのも、好調なチーム状況を変えてしまう危険性もある。一方、左打ちの好打者・梶谷隆幸(35)に次いで丸も故障した阿部巨人が、これからのペナントレースを見据えて筒香獲得に本気になったのは当然かもしれない。

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