阿部巨人が「筒香嘉智」獲得に動いた切実な事情

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巨人が筒香獲得を考えた理由

 巨人が筒香獲得に動く背景には、開幕3日前に新外国人選手のオドーア(30)がファーム再調整を拒否し、退団したことが影響している。

 オドーアとの契約がキャンプ中盤になってしまったため、チーム合流もオープン戦中盤まで遅れた。今から新しい外国人選手を見つけるとなれば、就労ビザを取得するまでの日数も計算に入れなければならない。来日後、二軍調整などの期間を設けなければならないため、チーム合流は早くても「5月の交流戦後」になる。ならば、就労ビザ取得の必要がない日本人選手ということで、筒香が急浮上したという。

 筒香と代理人契約を結ぶ大手エージェント「ワッサーマン・グループ」のスタッフも来日し、古巣・DeNAだけではなく、巨人など複数のNPB球団と接触していた。

「NPBの各球団と会っていたのは、筒香が腰痛でいったんジャイアンツを離れ、キャンプに再合流するかどうかという頃でした。筒香は3月10日以降のオープン戦には出場していますが、今回のスプリングキャンプがラストチャンスだと自覚していて、キャンプ終了前に『ギブアップ』を代理人事務所へ伝えたのでしょう」(前出・同)

 見方を変えれば、巨人は筒香獲得に好感触を得ていたから、オドーアの慰留に固執しなかったとも言える。また、時期を同じくして、巨人は日本ハムとの交換トレードで郡拓也(25)を獲得した。郡は登録ポジションであるキャッチャーはもちろんだが、内外野全てが守れる。巨人は現在もリーグ最多となる7人の外野手を一軍登録しており、内野を 守れる郡は偏った野手編成を解消させるキーマンでもあったようだ。

 さらに打撃陣の補強については、こんな情報も聞かれた。

「巨人が筒香獲得に動いたのは、自然な流れでした。3カードが終わった時点で巨人のホームランは4本。阪神は12球団最多の9本を記録しています。四球で繋ぐ阪神の岡田野球に対し、巨人は伝統的に一発の破壊力を加えた攻撃スタイルです。一発の少ない今の巨人打線は、対戦投手にとって脅威ではありません」(ライバル球団スコアラー)

 巨人打線は左バッターが多い。これは左のプルヒッターだったオドーアを獲得した理由にもつながるのだが、クリーンアップは4番・岡本和真(27)と5番・坂本勇人(35)を固定させており、この2人は右打ちだ。岡本、坂本の2人を中心に考えているので、「左打ちのスラッガー」という発想になったそうだ。

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