中国のスパイドローンが「護衛艦いずも」を撮影? SNSで拡散する動画に専門家は「飛行甲板に注目すべき」

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中国メディアのほうが上

 日本のネット上では、動画に「中国のスパイが撮影した」との説明文が書かれている投稿も目立つ。なぜスパイが撮影した極秘動画がネット上に流出したのかは謎だが、意外に信じている人も多そうだ。

「海上自衛隊横須賀基地は、陸地側が小高い丘になっています。もしスパイが本気でいずもを撮影したいのなら、わざわざドローンを飛ばして航空法に違反するリスクを冒す必要はありません。横須賀には撮影に最適の場所が、いくつもあります。港を見下ろせる絶好の場所にビデオカメラを設置すれば任務完了でしょう。アメリカ海軍の横須賀基地も同じ方法で撮影が可能で、こうした場所は売り地になっているところも珍しくありません。『敵国のスパイが土地を買って家を建てれば、海上自衛隊とアメリカ第七艦隊の動向は筒抜けになる』と週刊新潮が記事で警鐘を鳴らしたこともあります」(同・軍事ジャーナリスト)

 中国のスパイがいずもに潜入し、内部の様子を動画に収めるのは、かなり難易度の高い“ミッション・インポッシブル”だろう。だが中国のメディアは、いずもの内部動画をすでに“入手”しているのだという。

「海上自衛隊と言わず、自衛隊は海外メディアの取材にも協力的です、現場で新華社の記者やカメラマンが、日本のメディアと横並びで取材する光景は珍しくありません。もちろん公開可能な場所限定ですが、護衛艦内部の撮影も許可しています。ちなみに中国海軍は海外メディアの取材に対しては非協力的ですから、日本のメディアで中国海軍艦艇の独自映像を持っているメディアはありません」(同・軍事ジャーナリスト)

ドローンには脆弱な軍艦

 ただし、航空法違反で逮捕されることを覚悟するのであれば、いずもの上をドローンで飛ぶ動画を撮影することは難しくないという。

「動画の真偽は明らかになっていないにもかかわらず、ネット上ではいずもの防空システムについて早くも疑問の声が上がっています。しかし軍艦にとって一番厄介なのは今回のような小型飛行型ドローンではなく、強力な破壊力を持つ水上ドローンです。ウクライナ軍は水上ドローンを使ってロシア海軍の艦艇を何隻も撃沈しています。今、世界各国の海軍にとって、水上ドローンによる艦艇への攻撃は非常に厄介であり、まだ抜本的な対策は講じられていないのです」(同・軍事ジャーナリスト)

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