「水飲み場の蛇口にお尻スリスリ」で逮捕 東京・世田谷「芦花公園」で26年前にあった「関東連合」の人違い傷害致死事件
お花見シーズン真っ盛りに、東京・世田谷区の蘆花恒春園(通称・芦花公園)で起きた「蛇口にお尻」器物損壊事件。同所は昔から男性同士の出会いの場として知られた場所だった。26年前には暴走族が深夜に園内にいた男性2人のうち1人を対立する暴走族メンバーと勘違いして襲撃、死亡させる事件が起きた。【「深夜、双眼鏡を持って水飲み場の蛇口にお尻を…」56歳男が器物損壊容疑で逮捕 地元民が語る「芦花公園」の”特殊な事情”と恐怖体験】からの続き
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【写真】「蛇口お尻事件」が起きた深夜2時頃、この公園の”特殊な事情”について説明する地元住民。あたりい街灯は多いが、人っこ一人おらず不気味だ
園内の公衆トイレに逃げ込んで鍵を掛けたが…
器物損壊事件については別稿をお読みいただきたい。本項では地元で男性同士の出会いの場として知られる芦花公園で、26年前に起きた暴走族の「人違い傷害致死事件」を当時の新聞記事をもとに紹介する。
事件が起きたのは1998年4月26日。下記は27日付の日刊スポーツ記事である。
【東京・世田谷区の都立芦花公園 男性、暴走族風の男に刃物で刺され死亡】
〈26日午前1時半ごろ、東京都世田谷区粕谷1丁目の都立芦花公園で、神奈川県内に住む男性会社員(38)が「知り合いの男性が暴走族風の男に刺された」とパトロール中の警察官に届けた。男性は左足を刃物で刺されており、病院に運ばれたが、同日午後、出血性ショックで死亡した。
成城署の調べによると、会社員と男性が公園内で話をしていると、暴走族風の男がバイクで近づいてきた。身の危険を感じた二人が公衆トイレに入ってかぎを掛け、しばらくして外に出ると、隠れていた男が男性の左足を刃物で刺して逃げたという。会社員は死亡した男性について「最近知り合ったばかりで本名は知らない」などと話しているという〉
「てめえ、出てこい」左足を折り畳みナイフで刺す
2カ月後、事件は大きく動く。同年7月10日付の産経新聞の記事はこう伝えている。
【公園で男性死亡 暴走族の少年を逮捕 傷害致死容疑ほか3人特定 抗争下、人違い襲撃】
〈東京都世田谷区粕谷の都立芦花公園で、ことし四月に山梨県の男性が左足を刺されて出血死した事件で、警視庁少年二課と成城署は九日、男性は暴走族の抗争に巻き込まれて死亡したとして、襲撃した暴走族「関東連合」グループのリーダー格で、江戸川区内の私立高校(通信制)二年の少年(17)を傷害致死と暴力行為(集団による脅迫)の疑いで逮捕した。
調べによると、少年は四月二十六日午前一時半ごろ、メンバー数人と共謀し、芦花公園の公衆トイレ内にいた山梨県韮崎市中田町、食品製造販売業手伝いXさん(40、註・実際は実名)を「てめえ、出てこい」などと、ドアを金属棒などでたたいて脅迫。出てきたXさんの左足を折り畳みナイフで刺し、同日午後に出血性ショック死させた疑い。
警視庁は当初、けんかによる事件とみていたが、目撃情報などから四月から調布市や府中市の暴走族「関東CRS」と抗争を続けていた関東連合が、公園周辺でたまたま通りかかった練馬区の暴走族を「関東CRS」と間違え、襲撃していたことが判明。この時、公園内に逃げ込んだ暴走族メンバーを追いかけ、無関係のXさんを間違えて襲撃したものとみて、実行犯の特定を進めていた〉
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