ビッグモーター・兼重前社長が25億円借金の理由 担保は「目黒の豪邸」「軽井沢の別荘」

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「借り入れに緊急性があったことを意味する」

 ところが――。

 これらの不動産登記を見ると、ある“動き”があったことが分かる。

 昨年12月28日の日付で、前述の土地や建物にまとめて抵当権が設定され、25億円もの借金をしているのだ。貸し手は東京スター銀行で利率は6.08%。

 司法書士の元木翼氏は、

「年末ギリギリの借り入れですから、急に資金が必要になったのかもしれません。ビッグ社の株主への融資は銀行にとってはリスキーですが、担保価値は十分と判断したのでしょう」

 とみるが、一体なぜこれだけの額が必要だったのか。

「推測ですが、2通りのケースが考えられます」

 とは、経済コンサルタントの小宮一慶氏。

「ひとつは昨年末にビッグ社の運転資金が苦しくなり、急きょ、オーナーとしてそれを調達した可能性」

 もうひとつは、会社分割後の旧会社への出資金だ。

「日経の報道では、創業家は損害賠償などに備え、100億円を出資するとのことです。この一部を充当する目的かもしれません。これだけの担保を入れているにもかかわらず、利率が高めに設定されているのは、借り入れに緊急性があったことを意味しています」

せめてもの“償い”か

 いずれにせよ、

「兼重家は株主という立場ですから、本来ビッグ社に拠出する責任はない。巨額の借金は、せめてもの“償い”という意味があるのかもしれません」

 そうみれば少し印象も和らぎそうだが、先の記者いわく、

「とはいえ、それでも兼重家は黙っていても一生、左うちわで暮らせるほどの資産がある。一方で、会社に残った社員たちにはいばらの道が待っていますから……」

“逃げ得”との批判は免れそうにない。

週刊新潮 2024年4月4日号掲載

ワイド特集「三寒四温」より

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