驚異の「9秒58」 ソフトバンク「周東佑京」が開幕シリーズで見せた“新俊足伝説”に迫る!

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異次元の“足”

 恐るべきスピードでつかんだ4点目。最終スコアは5―2でソフトバンクの勝利だったから、それこそ周東の『足』が効いて、開幕カードの勝ち越しを決める白星になった。

「とりあえず、最後までスピードを落とさず、ということだけでした。あそこの1点はよかったと思います」

 そう振り返った周東は、開幕3連戦でいずれも「1番」でスタメン。初戦は4打数無安打の3三振。2戦目は1回の第1打席で四球を選ぶと、すかさず二盗を決めている。

 3戦目は、3回に三塁前へのバント安打と二盗。四球で出塁した8回の“生還劇”は、先に詳述した通りだ。

「なかなか塁に出られない中でも、1番で出してもらっているんで、何とかしたいなと思っていたんです」

 開幕3連戦で、ヒットは1本だけ。それでも、1番・周東の存在感は輝きを放っていた。3年ぶりのV奪回へ、その異次元ともいえる『足』は、ソフトバンクにもはや不可欠な存在になったと言っても、過言ではないようだ。

喜瀬雅則(きせ・まさのり)
1967年、神戸市生まれ。スポーツライター。関西学院大卒。サンケイスポーツ~産経新聞で野球担当として阪神、近鉄、オリックス、中日、ソフトバンク、アマ野球の各担当を歴任。産経夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。産経新聞社退社後の2017年8月からは、業務委託契約を結ぶ西日本新聞社を中心にプロ野球界の取材を続けている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)、「不登校からメジャーへ」(光文社新書)、「稼ぐ!プロ野球」(PHPビジネス新書)、「ホークス3軍はなぜ成功したのか」、「オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年」、「阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?」、「中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由」(以上いずれも光文社新書)

デイリー新潮編集部

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