重窃盗と通信詐欺で禁固20年の可能性も? 水原一平氏の違法賭博、専門家に聞く捜査の行方

スポーツ 野球

  • ブックマーク

渡米後の全記録も

 その一方で、

「450万ドルを送金した件については、州法の重窃盗罪や連邦法の通信詐欺罪に問われるおそれがあります」(同)

 それぞれ「禁固3年以下または1万ドル以下の罰金」「禁固20年以下または25万ドル以下の罰金」となるのだが、

「今回の件は、スポーツの中立性や信頼性を揺るがす大スキャンダル。社会的影響や送金額を考慮すると、州ではなく連邦の管轄事件になる可能性が十分ある。通信詐欺罪は、詐欺行為ではなく詐欺のための州間通信行為を罰するもので立証が比較的容易。イメージとしてはオレオレ詐欺で犯人が『オレだけど』と電話した時点で犯罪が成立します。こうしたことから、通信詐欺罪を念頭に捜査が進んでいくと予想します」(同)

 とはいえ、ことは一朝一夕には解決しないという。水原氏は21年にボウヤーと出会ったと証言しているのだが、

「18年に渡米して以降の大谷選手の口座の全記録を確認し、不正送金の疑いがある項目を洗い出した上、それぞれの送金にどの端末が使われたのか、また当時、大谷選手と水原氏がどこにいたのかなど、細かく調べることになるでしょう」(同)

 余罪も視野に“徹底捜査”がなされるというのだ。

6カ月以内に起訴に関する決定がなされる?

 元連邦検察官でカリフォルニア州弁護士のジョン・カービー氏に聞くと、

「米国では多くの人が違法賭博を行っており、当局は通常、見て見ぬふりをしている。ただし注目度の高い人にまつわる報道が多い場合、当局はしばしば行動を起こします。今回の捜査は終結までに日数を要するでしょうが、今後6カ月以内に起訴に関する決定がなされるのではとみています」

 水原氏と“絶縁”した大谷は、シーズンを通して悩まされることになりそうだ。

週刊新潮 2024年4月11日号掲載

特集「なぜ『大谷翔平』を裏切るほど『一平』は深みに…『水原家』三代『賭博』の源流」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。