人はなぜ霊感商法に引っかかるのか? 「現代の魔女」が語る「オカルトとの付き合い方」

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成功者はなぜ占いを信じるのか

――政治家や企業のトップなどに「お抱えの占い師」がいるという話も耳にします。

 見えない世界を強く感じる瞬間が一般の人より多いのだと思います。たとえば弁護士だと、何年も揉めている遺産相続の案件が、当事者である兄弟全員の夢に彼らの亡くなった母親が現れ、『争わないで』と言ったとたんに解決する。医師だと、死期の近い患者が、離婚した配偶者が帰ってきた瞬間に大きく持ち直す、といった経験です。

 そういう状況を目の当たりにすると、「目に見えない世界」を否定し続けるより「あるのかもしれない」と思った方がつじつまは合う。ただ、その世界を自分で研究すると、本を読むだけで何十年もかかりますから、きちんと訓練した、実績のある占い師などに頼むという選択も生まれます。

――日本ではなぜ、あらゆる層が「目に見えない世界」を意識するのでしょうか。

 大晦日に除夜の鐘を聞けば「今年が終わる」と感じますよね。亡くなった人がお盆に帰ってくる話が本当かはさておき、そう思ってお線香をあげることで、現実の人間関係がスムーズにいくこともあります。日本ではそんな風に、宗教体験と慣習が一体化しているわけです。だから、意識せずとも「見えない世界や現実以外の何かがあるのでは」という感覚を持っている人が潜在的に多いんですよ。

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