大手マスコミが報じない「川勝平太・静岡県知事」辞任会見の“トンデモ発言”の数々 リニア開業の遅れを誇るかのような場面まで

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川勝知事も傷ついた!?

 こんな会見だったからこそ、大手マスコミも奥歯にものが挟まったような報道になったというわけなのだが、リニアの問題は後で詳述するとして、まずは問題発言についての奇妙な質疑応答を振り返ろう。

「共同通信が、『昨日は不適切な発言ではないと主張し、発言を撤回しない意向を示していた』と指摘し、なぜ今日は一転して発言を謝罪し、辞職の理由に挙げたのか質問しました。すると川勝知事は『言葉の綾、不十分な表現が、針小棒大な形で批判に結びついた』と答えたのです。これは質問に答えていないだけでなく、まるでマスコミが針小棒大な過剰報道を行い、それが原因で辞職するかのように聞こえてしまいます」(同・記者)

 的外れの回答に、共同は「問題発言の責任を取って辞職するのか?」と再質問。川勝知事は「傷つけたことにつきましては、私の心も傷ついておりますので、申し訳ないと思っております」と答える。なぜ川勝知事も傷ついたのか、全く要領を得ない。

「共同は『私の心も傷ついております』の発言はスルーし、『最初の質問に真正面から答えてない』と、改めて昨日の発言は不適切だったという認識なのか、撤回する意思はあるのか問いました。知事は自分の発言を読み、音声を聞いてもらえば、真意は分かってもらえるはずだと主張。そのため当初は不適切だとは思っていなかったと説明しました。一方、差別発言と取られかねない部分はあったと認め、『申し訳ない』と謝罪しました」(同・記者)

リニア開業の遅れを絶賛

 結局のところ川勝知事は「不適切だと思っているのか? 撤回するのか?」という質問には答えない。

「共同の記者は呆れたようにも聞こえる声音で、『撤回はされないということでよろしいですか?』と確認を求めました。すると知事は『そうです』と即答してしまったのです。これでは、知事が自身の問題発言を心から反省していると受け止めるのは、さすがに無理でしょう」(同・記者)

 リニア問題の質疑応答も、迷走に迷走を重ねた。そもそも「品川─名古屋間の開業が10年以上、遅れるとの資料が有識者会議で提出された」──こんなことが知事を辞職する理由になるはずもない。

「リニア開業の遅れについて語る川勝知事は他人事のような態度で、『そもそも誰のせいで開業が後倒しになっているのか、分かっているのだろうか?』との疑問が浮かんだほどです。それどころか開業の遅れを絶賛するかのような場面もありました。知事は国の有識者会議で配られた資料に『2037年以降の開業になる可能性』が記述されていたことについて『仰天いたしました』、『凄い中身』、『爆弾的なニュース』と興奮して語り、これで『知事としての仕事に一区切りついた』と総括したのです」(同・記者)

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