世耕弘成議員に離党勧告処分 元国会議員の祖父は東条英機に反旗を翻し、孫と真逆のことをやっていた
祖父と孫、遺産の違い
近畿大学の理事長は現在、孫の世耕弘成氏が務めている。そして3月29日、オンライン署名サイト「Change.org」は「世耕弘成参議院議員に近畿大学の理事長職からの辞任を求めるオンライン署名がスタート」とメールなどで発表した。
署名を呼びかける文書では、弘成氏に対する強烈な批判が記されている。その一部をご紹介しよう。
《「裏金問題を解明する情報に接することのできる重要な立場にいながら、すべて秘書に責任転嫁をし、本人は今に至るまで、知らぬ存ぜぬという態度を貫いています」》
《「国民の負託に応えるべき政治家としての責任を放棄し、都合のよいことしか話さない人物が、理事長として『人格の陶冶』を語れるでしょうか? 自分自身が、『愛される人、信頼される人、尊敬される人』たり得ているでしょうか?」》
産経新聞は2019年、弘一氏の評伝を連載した。その中に、弘一氏が残した“遺産”について興味深い記述がある(註)。
《長男の政隆(後に近大総長・理事長、参議院議員)にはこの借地に建った一軒家、弘昭には電話の加入権しか残さなかった》
弘一氏の清貧を伝えるエピソードだ。一方、弘成氏が収支報告書に不記載だったとしたパーティー券の還流分は、2018年からの5年間で総額1542万円。祖父は遺産を残さなかったことを誇りにしたのに対し、孫が残そうとしているのは裏金疑惑。これでは弘一氏も草葉の陰で泣いているだろう。
註:【倒れざる者 近畿大学創設者 世耕弘一伝】第2部(17)(産経新聞2019年3月2日大阪夕刊)