「キレイゴトに染まる若者」「紙ストローでもフタはプラスチック」 元京大教授が危険視するSDGsの“正義の暴走”と“矛盾”その驚くべき実態とは

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外部に依存する価値観

 今年の春、あるスタートアップセミナーに参加し、一人の高校生と話す機会がありました。とても真面目な彼は、「僕は世界から貧困をなくしたいんです」と言う。実際、海外の貧困地域にも行ってみたそうです。なお、「貧困をなくそう」は、SDGsが掲げる「安全な水とトイレを世界中に」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」といった17の目標の1番目に位置付けられています。

 そこで私が「それで君自身は何に幸せを感じるの?」と尋ねたところ、再び彼は間をおかずに「世界から貧困をなくすことです」と即答したのです。

「おいおい、ちょっと待ってくれよ」

 私は思わず内心でそう呟いてしまいました。

 世界から貧困をなくしたい……。高校生の彼には申し訳ないけれど、恐らくその思いは、彼自身の価値観に基づいたものではなく、世間で喧伝されているSDGsのキレイゴトに影響されたものでしょう。つまり、彼は自分の価値観を、世間という外部に依存してしまっているといえるわけです。

有料版では、若者から企業、研究機関までがSDGsで染められている実態や危険性、「17の目標」が抱えている矛盾など、SDGsのまん延がもたらしている問題について詳報する〉

デイリー新潮編集部

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