「大谷さんの好感度が低下するリスクも」 危機管理の専門家が警鐘…二つの「危険な要素」を排除するために大谷翔平がやるべきこととは
「寛大すぎる対応をしてしまう」というリスク
だが、私はそのことよりも、二つ目の危険な要素のほうが気にかかる。それは温かい人柄の大谷選手が、寛大すぎる対応をしてしまうことだ。例えば、支払い能力のない水原氏に対して、厳しく返済を求めないといったことなどである。
“水に落ちた犬は打たず”という日本の美徳は米国では通用しない。ルールを破った者は徹底的に懲らしめる。それがアメリカという国である。セクハラ訴訟で巨額賠償を請求するのが、あちらの流儀なのだ。
メディア対策のコンサルタント
以上の二つの危険な要素を封じ込めるために大谷選手がなすべきは、まずはスピンドクターと呼ばれるメディア対策のコンサルタントと契約することだ。今後も大谷選手の情報発信は、球団や弁護士から制限されるに違いない。今回の会見でも記者の質問に個別には応じなかったが、事前にプロに最適なコメントを作成させ、積極的な情報開示で実情を第三者に代弁してもらうのが最善だと考える。
そして次に大谷選手がなすべきは、IRS(内国歳入庁)やFBIの捜査が終わったのちに、水原氏への救済策を講じる弁護士を早い段階で雇うことである。なぜなら、大谷選手の人気が高い理由は、その温かい人柄による部分も大きいからだ。水原氏の弁護士によって対立させられても、“罪を憎んで人を憎まず”という姿勢を示さないと好感度が下がってしまうのである。救済は水原氏本人ではなく、罪のない家族を支援する姿勢で行うのが賢明だろう。
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