尊富士優勝のウラで二つの珍事が 二所ノ関部屋のマネージャーが町議会選挙に出馬…「メディアはパニックに」

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 大相撲大阪場所は、尊富士(24)による110年ぶりの新入幕優勝で幕を閉じたが、その千秋楽では“二つの珍事”が起きていた。

 一つ目は“不戦敗優勝”もしくは“不戦勝優勝”の可能性である。

 14日目、単独首位に立つ尊富士が敗れ、右足を負傷した。これで尊富士は2敗目。これを大の里(23)が3敗で追う展開となった。

 車椅子で土俵を後にする姿に、多くのファンは尊富士の千秋楽休場を確信した。するとこうなる。本割で大の里が敗れると、尊富士が不戦敗でも優勝。逆に大の里が勝つと尊富士との優勝決定戦は大の里が不戦勝で優勝となるのだ。

「14日目夜の段階では、尊富士は休場濃厚、つまり大の里の不戦勝優勝もあり得る状況でした」

 と相撲ライターが語る。

「そこで、われわれは大の里が所属する二所ノ関部屋に取材をかけようとしたのです。ところが……」

部屋のマネージャーが姿を消して…

 そこで二つ目の珍事が起きていた。

 部屋の広報を担当する前田一輝マネージャー(36)が姿を消していたのだ。

「何と、彼は部屋がある茨城県阿見町の町議会議員選挙に立候補していて、千秋楽が投開票日だったのです」

 兵庫県出身の前田氏は、高校中退後に高田川部屋に入門するも、最高位幕下32枚目で引退。その後、高校通信科を卒(お)え、警備員や不動産会社勤務などを経て、角界の先輩である稀勢の里の誘いで二所ノ関部屋のマネージャーとなった。そしてこのたび、「阿見町を相撲のまちに!!」というスローガンのもと、選挙に立候補したのだった。当然ながら、前田氏は大阪にはおらず、決戦の地、茨城で“最後のお願い”を叫んでいた。

 各メディアはちょっとしたパニックに陥ったが、結局、尊富士は千秋楽で強行出場した上に勝利して優勝を飾る。大の里は敗れた。

 選挙の結果も気になる? 前田氏はめでたく当選した。

週刊新潮 2024年4月4日号掲載

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