18兆円市場! 中毒者急増の「米国スポーツ賭博」…150億円溶かしたスーパースターとは
8割近くの州で合法化
「常習性などへの懸念からドジャースの地元カリフォルニア州では違法ですが、8割近くの州が合法化しています。水原氏へのインタビューで注目されたスポーツ専門放送局のESPNも、賭けサイトを運営しているほどです」
そう話すのは、現代アメリカ政治外交が専門でスポーツ賭博の制度にも詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏。
「90年代後半、ネットの普及と共にスポーツ賭博が広まっていった印象です。その当時、私も在米生活を送っていて、今も仕事柄、全米各地をまわり政治の実態を調査していますが、どの地域でもスポーツ賭博のオンラインシステムを作ったと豪語する人に会う。現地で試しにパソコンで検索すると、30~40前後の賭け屋サイトが表示されます」
スマホやパソコンで気軽にアクセスでき、例えば5ドル賭けて200ドル程度のスタートボーナス特典に誘い込まれた若者が常習化。ギャンブル依存の相談が急増するなど社会問題化している。それゆえ州政府認可の業者には、厳しい縛りがあるのだ。
「秘匿性の高い、アンダーグラウンドな世界」
先の小林氏によれば、
「原則、前金制で賭けられる上限も業者によるが1試合あたり100ドル以上はほとんど不可能。水原氏が3年ほどで使ったといわれる約6億8000万円は、合法業者なら4万5000試合に賭けた計算で常識的には無理。それだけ高額な借金を掴まされる違法な業者にハマったということでしょう。プロゴルフ界のスーパースター、フィル・ミケルソンは、かつて違法マーケットで、150億円すったことを認めています。一般的なギャンブラーでは近づけない、秘匿性の高いアンダーグラウンドな世界なわけです」
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