18兆円市場! 中毒者急増の「米国スポーツ賭博」…150億円溶かしたスーパースターとは
メジャーリーグを揺るがした違法賭博事件以降も、プロスポーツ界では同様のスキャンダルが世間をにぎわせている。背景には、全米で年間18兆円もの規模と推計される「スポーツ賭博市場」の存在があるのだ。
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「アメリカでは違法のマーケットも含めれば、スポーツベッティングの市場規模は50兆円を超えるという指摘もあります。今や全世界では330兆円規模ですが、その大半は違法マーケットともいわれています」
そう解説するのは、東大卒でロッテに入団、引退後は米コロンビア大学経営大学院で経営学修士号を取得した後、球団フロントを経て、現在は桜美林大学教授を務める小林至氏だ。
「仲間内での賭け事は、彼らの文化の一部」
「過去に7年間、私もアメリカに住んでいましたが、オフィスや学校の教室など仲間内で賭け事をするのは、彼らの文化の一部と言っても過言ではありません。賭ける対象も多岐にわたり、NFLのスーパーボウルとか、MLBのワールドシリーズのみならず、今の時期たけなわのバスケットボール全米大学選手権でも、どこの大学が勝ち上がるのか、ベスト4を当てたり、1回戦ごとに勝利大学を予想する。彼らにとって、スポーツとギャンブルには切っても切れないつながりがあるのです」
半ば日常的に行われていたスポーツ賭博について、アメリカの連邦最高裁が合法性の解釈を各州に委ねるとしたのは2018年のこと。前述した市場規模から税収は絶大で、全米50州のうち38州で合法化されてきた経緯がある。
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