株高で年配者がお金を使い出す? 「個人消費1%増」という試算も
日経平均株価が4万円を超えたって、株を持ってないから関係ないと思っている人もいるだろう。実際、先頃発表された総務省の家計調査は、消費支出(実質)が11カ月連続のマイナス。国民の財布のひもは締まったままである。ところが、意外な人たちが日本経済を回してくれるかもしれないのだ。
〈日経平均4万円持続なら、個人消費1%増〉
日本総研がそんなレポートを発表したのは3月13日のこと。それによると、現在のような株高が持続する場合、家計の金融資産価値を上昇させ、個人消費を押し上げる可能性があるのだという。日本人の個人金融資産は約2100兆円。そのうち17%ほどが株や投資信託で占められており、そこからお金が溢れてくるというわけだ。
2100兆円のうち6割超を60歳以上が保有
興味深いのは、世代によって受ける恩恵が違っていること。先述の個人金融資産2100兆円のうち、6割超が60歳以上の人たちによって保有されている。
レポートを書いた日本総研調査部の北辻宗幹氏が言う。
「この方たちは退職して資産形成ができている方が多いと考えられます。一方、59歳以下の世代はまだ働いており、給与所得が大半。したがって株高は、年配の方にメリットがあります」
レポートでは株式などの資産価値が100円上昇した場合、59歳以下では、消費が0.8円の増加にとどまるのに対し、60歳以上では6円増えるとある。年配者が株で儲かった金を使い始めたらどんな産業が盛り上がるのだろうか。
「そうなった場合、消費が向かう先はデパートやクルーズ旅行など、富裕層が利用するような商品やサービスになるでしょう」(同)
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