2代目宅見組の本部事務所売却から1年 入江組長の身の振り方と山口組との抗争の関係

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前谷若頭の逮捕・起訴が

 入江組長は2社どころか絆會も含めた3社連合を目指していた時期がある。以前に神戸山口組が絆會の織田絆誠会長にヒットマンを向かわせたことなどで断絶していた関係を修復すべく動いていた。

 しかし、その動きが井上組長の逆鱗に触れてしまう。入江組長はこうした井上組長に嫌気がさして、神戸山口組を脱退したとされている。結果、池田組と絆會は運命共同体を標榜する一方、神戸山口組と絆會の間のわだかまりが消えることはなかった。入江組長と井上組長との間にも距離があるままなのは想像にかたくない。

「さまざまな問題をはらみつつも入江組長が引退を選ばなかったのは、池田組のナンバー2・前谷祐一郎若頭が殺人容疑で逮捕・起訴されたこととも関連があるのかもしれません」(同)

 前谷若頭とは、いわゆる「愛媛スタバ射殺事件」の容疑者。犯行の背景には池田組と6代目山口組との抗争があるという見方が強い。

 その犯行にどの程度、組織の意思があったかは不明にせよ、ナンバー2の逮捕は池田組にとってはダメージである。そうした友好組織のピンチに手を差し伸べようという意志があり、簡単に自分だけ身を引くわけにはいかない、と考えたのだろうか。その判断は結果として、山口組分裂問題の決着をより遠のかせる要因となるかもしれない。

デイリー新潮編集部

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