「浮気野郎」と証拠もないのに僕を罵り、夜の営みも拒絶する年下妻はとんでもない嘘つきだった…46歳夫が語る、“現在の生きがい”
ご両親に聞いたよ、と言ったら…
竜一郎さんの親を味方につけた智花さんだが、彼自身の心が自分にないことはわかっている。だからときどき荒れる。
「半年ほど前だったかな、僕は浮気はしていない、ただ親しくしている若い女性はいると妻に言ったんです。お互いに尊敬しあっている崇高な関係だと宣言するかのように伝えました。今思うと、僕は勝手なことばかりして嘘をつく妻を傷つけたかったのかもしれない。親しくしている若い女性が誰かはあえて言わなかった。娘のような存在だとは言いました。もうこれ以上、うちの両親を苦しめないでほしい、きみの嘘で両親はつらい思いをしているのだから。そう言うと、妻は唇を噛みしめていた。きみは昔から、嘘ばかりついていたそうじゃないか。ご両親に聞いたよと言ったら、妻はますます悔しそうでした」
その直後、「どうして嘘をつくの。きみは何をしたら満足できるの」と優しく尋ねたが、妻の態度と心は固くなるばかりだった。
「いつでも離婚する覚悟はあります。智花を嫌いになったわけじゃない。確かにもともとすごく好きで結婚したわけではないけど、僕を性的に受け入れようとしない妻でも別れたいと思っているわけではない。客観的に見たら彼女は幸せじゃないですか? 働かずに生活ができて、家計をやりくりすれば自分の小遣いもある程度使えるし。妻が昼間、何をしているか僕は知らないけど、いろいろ習い事はしているみたい。彼女の立場が僕は羨ましいですよ、正直言って。だから妻は離婚はしようとしないんでしょうかね」
妻との関係を修復しようという積極的な思いはないと彼は言う。ただ、彼から離婚を言い出すつもりもない。「こんな家庭はあってもなくても同じだけど、壊すのもめんどう」だと彼は言う。
ストレス源となっている妻を、どうして放り出そうとしないのか。そこが不思議ではある。婚姻という形を崩壊させるエネルギーがないだけだと彼は言うが、心の底で、彼は彼女を失いたくないと思っているのではないだろうか。嘘つきの妻でも、帰宅して灯りが点っていて、家はきれいに片付いていて食事も調っている。そんな生活を捨てたくないし、嘘つきの妻のいいところも感じているのかもしれない。
振り分けながらの生活
例のパチスロ業界の若い女性とも、たまにお茶をする程度の関係が続いている。もちろん関係を発展させるつもりもない。
「結局、相変わらずときどき風俗のお世話になっています。単純に性欲を解消するためですが、なじみの風俗嬢もできて、彼女に会うのは楽しみのひとつでもある。僕はいろいろ振り分けながら生活しているのかもしれませんね。性欲は風俗で、恋愛感情に近いものはパチスロの子で解消し、ある意味での情熱は仕事で発散、そして心身ともに情熱の脱けた部分は妻とともに過ごしている。こういう割り振り人生も悪くはないのかなと思っています。子どもがいない人生だから寂しいのか、あるいは僕自身が寂しい人間なのかもわかりません。他の人はどうしているんでしょうね。同世代の男たちが日常的に何を不満とし、何をして満足するのかが知りたい気もします」
人生において前向きな情熱をもっていないわけではない。満たされないことが当たり前になりつつある。そこで何とか部分的に満たそうとし、自分を満足させている。それが寂しいことなのかどうかはわからない。そもそも「満たされている」と断言できる人が、世の中、どれほどいるのだろう。彼が言うように、彼の人生、そんなに悪くはないのかもしれない。
前編【40歳を過ぎて年下女性と結婚したものの…初夜は見事に拒絶、その後、彼女の寝室に忍び込んで聞かされた言い訳に、夫は「それはないだろう」】からのつづき
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