「日本の桜」が世界で大人気――歌人西行の「桜好き」がワシントン、ハンブルグへ広がるまで

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 今年も桜の季節がやって来た。桜が好きなのは日本人だけではないようで、多くの外国人観光客も桜の名所へ足を運んでいる。

 そもそも日本の「花見」という文化はいつ頃から始まったのだろうか――。西行歌集研究の第一人者・寺澤行忠さんの新刊『西行 歌と旅と人生』(新潮選書)は、桜の歌を多く詠んだ西行(1118-1190)が、花見文化に与えた影響について解説している。同書から一部を再編集してお届けしよう。

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 西行が見ていた桜は、言うまでもなく、今日われわれが多く目にするソメイヨシノではなく山桜である。...

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