PGAツアーとリブゴルフの統合話はどうなった? 豹変したモナハン会長の強気発言から分かること

スポーツ

  • ブックマーク

モナハン会長の大きな変化

 それにしても、昨年6月ごろと現在とでは、モナハン会長の表情や語調に大きな変化が見て取れる。

 PIFを後ろ盾とするリブゴルフのマネーパワーに「PGAツアーは太刀打ちできない」と白旗を挙げ、秘かにルマイヤン会長にアプローチをかけた一昨年から昨年にかけてのモナハン会長には、不安と焦り、心身の疲弊が色濃く見て取れた。しかし、SSGと手を結び、新会社設立も現実化して新たな軌道に乗った今、以下のようにモナハン会長の言動には大いなる自信と強気が戻り、時には尊大とも感じられる態度まで見られる。

「このミーティングはPIFによるPGAツアー・エンタープライズへの投資が適正であるかどうかを評価するための重要なプロセスだ」

「ルマイヤン会長は選手理事たちに自己紹介を行なった後、自身のビジョンや何にプライオリティを置いているか、なぜPGAツアーに対して投資を行ないたいのかを熱く語っていた」

 モナハン会長はすべてにおいて「決めるのはPGAツアーだ」「選ぶのはPGAツアーだ」「決定権はわれわれにある」というトーンを強く打ち出していた。そして締め括りは、モナハン会長のこんな言葉だった。

「これからもPIFとの交渉は続ける。その状況についてはできる限りアップデートするつもりだが、この交渉を公の場で行うことはできない。そこは理解してほしい。そして、これ以上、メディアに語ることはない」

 良くも悪くも「強いモナハン会長」が戻りつつある。それが「最強のPGAツアーのカムバック」につながるのなら、「それもまたよし」というところだ。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。