なぜ世間は「女子アナ嫌い」になったのか ニュース番組は男性アナ、タレントキャスターの時代へ

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

「女子アナ」はただの厄介者か? トラブル続きのテレビ業界のスケープゴートか?

 テレビ局や芸能事務所、そして世論の関係の中で、はじき出されてしまった女子アナたち。地に足のついた進行や、正確なアナウンス技術を持つまともな人もいるのだが、どうしても話題になるのはバラエティーを主戦場とする「港区女子」マインドの女子アナばかりだ。フジでは女子アナたちによるステマ騒動もあった。名誉を挽回する場所さえ与えられないのなら、グレーなアルバイトや婚活で自分の価値の高さを確かめたくなるのも仕方ないのかもしれない。

 帯の情報番組は、タレント事務所との顔つなぎの場所。フリーアナばかり重用するのは、炎上した時にいつでもクビを切れるように。まともに漢字も読めない女子アナは、さっさとフリー転身でも寿退社でもしてくれた方がラク。そんな冷徹な計算も見え隠れする、各局のキャスター人事。しかしそれはますます、在籍する女子アナの使いどころがバラエティー寄りになり、彼女たちのイメージを低下させていくサイクルに陥ってしまうように思う。

 視聴スタイルの変化に伴って、女子アナに期待される役割も変わってきている。これだけ批判を集めていても、女子アナに憧れる大学生は後を絶たない。割り切ってバラエティー採用と報道採用で門戸を分ける方が、女子アナ本人の志向ともズレが無くなり、無用な批判や人材配置ミスは避けられるに違いない。

 暦の上では春だが、女子アナたちにとっては冬の時代。「アナウンサーカレンダー」で見せる笑顔の陰で、時間がたてば切り捨てられる自分の姿をカレンダーに重ねているのではないだろうか。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。