水原一平氏の不在で懸念される「大谷翔平のリハビリ」 右肘の違和感を的確に球団に伝え、練習では撮影係も
いかなる罪に問われるのか
水原氏がいかにして大谷の口座に無断でアクセスできたのかは依然、謎なのだが、カリフォルニア州弁護士の資格を持つ東町法律事務所の村尾卓哉弁護士が言うには、
「州法の違法賭博罪の量刑は、1000ドル以下の罰金または6カ月以下の禁固となります。さらに水原氏が、大谷選手の口座管理権限を持たずに不正アクセスして胴元に送金した場合は窃盗罪、口座管理権限を持った上で送金すれば横領罪となり、いずれも州法において1万ドル以下の罰金または3年以下の禁固刑となります。また連邦法における通信詐欺罪ということも考えられ、その場合には20年以下の禁固刑または25万ドル以下の罰金という極めて重い罰則が定められています」
水原氏の身柄について、米国の法律に詳しい青山学院大学教授の浜辺陽一郎弁護士は、
「賭博罪自体は軽犯罪であり、また水原氏に証拠隠滅や逃亡の恐れがなければ通常、逮捕はされません。ところが窃盗罪となると罪が重くなり、今回は金額も大きいため、もし水原氏が捜査から逃げ続けているとすれば逮捕せざるを得ないでしょう」
会見の冒頭、大谷は水原氏について「信頼していた方の過ち」に「悲しいというかショック」を感じているとしながら、終盤では「ショックという言葉が正しいとは思わない」「今はそれを言葉にするのは難しい」と吐露するなど、元相方の行為を一刀両断できない苦悩が見てとれた。
懸念は「リハビリ」
「Full-Count」編集部の小谷真弥氏は、
「臨時通訳となったアイアトン氏は現在、球団編成部に属して選手育成を担っています。日本語に堪能で、かつて前田健太投手の通訳を務めていました」
としながら、
「プレー以外で大谷選手の身の回りに精通する水原氏の代わりが務まる人物は、なかなか探し出せないと思います。例えば昨年、右肘をケガした時も、大谷選手が抱える肘の違和感がエンゼルスのコーチ陣には伝わりにくかったのですが、英語が流暢で経験豊かな水原氏が間に入ることで、その感覚を的確に伝えることができました。また日頃の練習でも携帯端末で映像を撮影、打撃や投球を数値化して球団と共有していました。大谷選手は来季の二刀流復帰を目指しますが、あるいは投球のリハビリで影響が出てくるかもしれません」
“唯一無二の存在”は、あえなく自滅してしまったのだ。
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